八重山の石垣島北部、西表・大富集落、波照間島には共同売店があります。ここではその共同売店をそれぞれの島毎に紹介します。
「共同売店」は地域集落の方々が共同出資で立ち上げ、仕入れ・販売・利益分配・アルバイト管理など全て集落の方々で運営されている商店で、いわば生協の様なものです。
共同売店が誕生したのは1906年の沖縄本島・国頭村の「奥」集落が最初と言われています。貧しかった集落における相互扶助の一環(設立目的は同業者の乱立による共倒れの防止といった方が分かりやすいかもしれません)として生まれた共同売店は、戦後、本島北部から移住した開拓民の手によって西表や石垣にも広まりました。しかし、商業の発達、都市化などに伴う共同体の弱体化などにより、その後無くなってしまったものもあります。なお、波照間の共同売店は、この流れとは別に、50年ほど前から徐々に設立されたようです。
一般に共同売店で売っている品物の種類は少なく、一般的なコンビニの方が種類は多いです。 食料品(生鮮食料品もありますが、大半は保存のきく冷凍物、インスタント物、乾物、調味料、缶詰の類の物)とその他の生活必需品(衣類・履き物などの日用雑貨)が少しと、文具・釣り具などがほんの少しある程度です。
共同売店はこのような品物を仕入れ販売するという生協的活動に加えて、(全ての共同売店がそのようにしているわけではありませんが)農機やトラックの共同購入なんかも行っていたりして、島民生活とは切っても切り離せない存在となっています。利益が出ると、住民に配当金として分配したり、資本金に組み入れたりするそうです。
なお、共同売店を利用する時は、共同売店が営利目的の商店ではなく地元住民の日常生活の大事な拠点となっていることを頭の中に留め、控えめな買い物をしたいものです。
八重山の共同売店