「恋しくて」のロケ地  作成 2013.02.23

 「恋しくて」は沖縄出身のバンド・BEGINがモデルになった映画で、BEGINが学生生活を送った頃の石垣島を舞台に繰り広げられる若者達の青春と恋愛を描いた作品です。2007年4月に公開されました。BEGINの同名曲をモチーフに、高校生達のさわやかなラブストーリーが描かれています。
 原案はBEGINですが、BEGINのドキュメントではなく、「ナビィの恋」「ホテル・ハイビスカス」など、沖縄を舞台に人々の温かさを描いた作品を生み出してきた中江裕司監督が作ったストーリーになっています。

 監督・脚本は中江裕司、また原案・主題歌はBEGINで、この映画にも出演しています。
 主なキャストは、
   セイリョウ(石田 法嗣)、栄順(東里 翔斗)、加那子(山入端 佳美)、マコト(宜保 秀明)、
   浩(大嶺 健一)、澄子(与世山 澄子)、TV番組司会(三宅 裕司:特別出演)、
   おばぁ(平良 とみ)
  
【あらすじ】

 

 
 高校生になった加那子(山入端佳美)は、おばぁ(平良とみ)の家に引っ越したきり逢う機会がなかった幼なじみの栄順(東里翔斗)と再会する。男らしくて頼りがいがあるが、全てひらめきで生きているような加那子の兄セイリョウ(石田法嗣)の「バンドやるどー」の一声で、栄順がボーカル、やはり幼なじみのマコト(宜保秀明)がギター、セイリョウがドラムをやることになる。加那子のパートは恥ずかしがり屋の栄順を歌わせること。自ら経営するバーでプロとして歌う母・澄子(与世山澄子)とピアニストで作曲もした父を持つ加那子も音楽が大好きだが、4歳の時に父がいなくなって以来、歌えなくなってしまったのだ。本土出身の父は「奄美に歌を探しに行く」と出て行ったきり、何の音沙汰もなかった。

 バンド名は“セイリョウズ”。文化祭出場を目指して、牛小屋での練習が始まった。最初はセイリョウに言われて渋々始めた栄順だったが、やがて歌うことの喜びに目覚めて、加那子への想いを募らせてゆく。音楽に夢中になっているうちに、栄順と加那子は2年生、セイリョウは卒業できずにもう一度3年生になった。加那子はおばぁの理容室や澄子の店“インタリュード”を手伝いながら空手部で活躍、地区予選出場が決まった。気が付けば、いつもそばにいる。そんな加那子に、栄順はある日思い切って「俺たち、付き合ってるのかな」と質問する。加那子は笑顔で頷いてくのだった。

 遂に文化祭のバンドオーディションが始まった。遥かに実力も魅力も上のバンドが次々と現れ、セイリョウズはあっさり落選してしまう。文化祭の夜、セイリョウは学校をやめて旅に出る。加那子たちは3年生になる。地区決戦大会までいって負けた加那子が空手部をやめて、老眼で細かい作業が苦手になってきたおばぁの手伝いに精を出していた頃、セイリョウは奄美を訪れていた。セイリョウは「奄美に歌を探しに行く」と出て行ったきり十年以上、音沙汰のない父が、崖から落ちて亡くなっていたことを知り、父を看取ったおじぃ(武下和平)を訪ね、父の遺品と遺骨を受け取る。

 島に帰ってくるなり、「東京へ行ってレコードデビューする」と宣言するセイリョウ。バンドを解散してしまった栄順の同級生の浩(大嶺健一)がキーボードに加わり、バンド名も“ビキニング”に変えて、新たな出発を迎える。練習の甲斐あって、東京で開かれる全国大会への出場権を獲得するビギニング。東京行きの期待と不安に揺れる彼らを待つものは…。そして、栄順と加那子の恋の行方は…。

(goo映画、地球の歩き方等より一部引用)
  
[余談]
(1)  この作品は、中江監督が、BEGINのデビュー曲『恋しくて』の生まれた経緯が書かれている『さとうきび畑の風に乗って』(草思社刊)を読み、インスパイアされたことにより生まれたそうです。
 遠距離恋愛の果てに、恋しい想いを振り切って分かれたのが島袋優であり、『恋しくて』は彼の切ない思いを込めた曲だったそうです。ちなみに作品中では、ボーカルの栄昇は栄順、ギターの優(マサル)はマコト、ピアノの等は浩となっています。

(2)  加那子、栄順、マコト、浩の4人を演じたのは、3,500人のオーディションで選ばれた沖縄県在住の演技経験の全くない現役の高校生でした。このため、プロの演技では生み出せない彼らのリアルな姿が印象に残ります。
 その他、加那子の祖母には中江監督作品には欠かせないおばぁ役の「平良とみ」、母には日本屈指のジャズヴォーカリストである「与世山澄子」が演じています。

(3)  この作品は、映画用語でいう『順撮り(ストーリーの流れに沿って撮影する方法)』で撮影されました。撮影のコストや効率を無視して、脚本の順序通りに撮影が行われたわけですが、これは脚本の中の登場人物たちの成長とそれを演じる高校生たちの成長の過程をフィルムに残していこうという中江監督の考えによるものだったそうです。

(4)  この作品は石垣市の支援のもと撮影されました。当時の大浜市長も作品の中でシーサーおじぃの役を演じています。

「恋しくて」のロケ地

 
平久保崎灯台
「セイリョウズ」が灯台に横断幕を貼って、歌の練習をしたシーンの撮影場所です。 ここは石垣島の最北端に位置します。
 
大浜海岸
加奈子と栄順がデートをした場所で、加奈子が防波堤の上で空手をしたり、二人がはじめてキスをした場所です。 ここでは美しい石垣島の海、自然の豊かさを感じとることができます。浜に出かけているのはアーサ取りの人達です。
 
理容としこ(としこ美容室)
映画では美容室となっていますが実際は理容室です。マックスバリューの斜め向かい(北側)の路地奥(西側)、長崎御嶽の西側に位置します。 店の横の看板(下の写真の左側の看板)には中江監督のサインが書かれていましたが、今では擦れて読めなくなりました。
 
荒引橋
足をくじいたおばぁの車椅子を押しながら、加奈子が大きな決断をした場所です。 この橋は「荒引橋」という名ですが、この橋が架かっているのは「新川川」です。
  
真喜良児童公園
「ビギニング」が石垣島でコンサートをした場所です。向かいには竹富島がよく見えます。エンディングでは、浜側からBEGINが 登場します。(舟蔵公園とも呼ばれています。) ロイヤルマリンパレスの隣になります。エンディングのコンサートシーン(BEGINのミニコンサート)には約3000人の島民がエキストラとして参加したそうです。
 
八重山高校   南西牧場
栄順、加奈子たちの通った高校です。
ここは、BEGINの3名と東里翔斗が実際に通った高校です。
「セイリョウズ」、「ビギニング」が牛小屋でバンドの練習をしたところです。牛小屋は映画のセットで、今はありません。私有地のため立ち入りはできません。牧場は写真右手奥になります。
 
八重山闘牛場
加奈子の兄セイリョウ(石田法嗣)が闘牛で牛を戦わせるシーンを撮影した場所です。 地元の闘牛士から特訓を受けて、700kgの牛を操ったそうです。
 
A&W石垣店
「ビギニング」が八重山バンド天国で優勝し、東京大会出場を決めた日に祝賀会をした場所です。 本土では馴染みのないお店ですが、沖縄では有名なファーストフード店です。通称エンダー。ルートビアはお代り自由です。
 
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