西表島のカー(井戸)  作成 2014.02.15

1.西表島のカー(井戸)

 西表島は周辺の隆起珊瑚礁の島々と異なり、全島の7割が山地の高島で、島内の9割が亜熱帯性の密林に覆われています。また、年間降水量も2200〜2300mm程度あります。このため他の島のように水資源の確保は難しくなかったようですが、それでも飲み水には苦労していたようです。また、集落はマラリア罹患から逃れる意味もあって、海岸の近くに設けられるのが一般的でしたが、海岸近くの井戸水であれば塩分が含まれますし、川の近くであれば洪水時等においては却って飲み水の確保が困難で、なかなか生活は楽ではなかったようです。
 こうしたことから、安定した湧水の湧く場所に集落を構えたり、井戸を掘って対応したようです。
 ここでは、西表島の人々の生活を支えたカー(井戸)の紹介をします。
 
No. 名  称 場所
1. ジンバイカー(膳配井戸) 干立
2. ウィヌカー(干立) 干立
3. チャーネーカー(茶煮井戸) 干立
4. 干立井戸1 干立
5. 干立井戸2 干立
6. ウヒラカー(太平井戸) 祖納
7. いのちの泉 住吉
8. ウィヌカー(船浮) 船浮
9. フネッチャーヌカーラ(船浮共同井戸) 船浮

これは約140年前に建てられた、現存する沖縄最古の木造茅葺き民家で、県指定の有形文化財に指定されている、祖納集落の新盛家住宅。すぐ近くにウヒラカー(太平井戸)があります。
 
 
2.西表島のカー(井戸)の地図
  
 
3.各カー(井戸)の紹介
 
(1)ジンバイカー(膳配井戸)
西部の干立(星立)集落にあるムトゥウガンの鳥居の向って左脇にあります。(正面ほぼ中央の位置) これはムトゥウガンの鳥居です。御嶽には勝手に立ち入らないようにしましょう。
ムトゥウガン左手側の小路の横にあるジンバイカーです。かつて祭事で使う皿、小鉢、お椀等を洗うための水を汲む井戸として使用されていました。 現在は使用されておらず、一年に一度ウイヌカー儀式の前に溜まった泥をさらって掃除されています。
 
(2)ウィヌカー(干立)
ムトゥウガンから北に少し歩いた山裾にあります。
(正面ほぼ中央の山裾の位置)
岩から染み出す水が窪地に溜まるような構造になっています。 村の水源としてシチの最終日にはここで水恩感謝のウイヌカー儀式が行なわれます。
 
(3)チャーネーカー(茶煮井戸)
ムトゥウガンの鳥居の右脇にあります。。
かつて祭事で使う湯茶用の水を汲む井戸として使われていましたが、現在は使用されていません。
この木の少し先にチャーネーカーがあります。
一年に一度ウイヌカー儀式の前に掃除されていますが、この時は土に埋まってしまっていて水は見えません。 田植え前の反対側からの写真です。
  
(4)干立井戸1 (5)干立井戸2
干立集落内にある、今は使われていない井戸。 同じく干立集落内にある、今は使われていない井戸。
 
(6)ウヒラカー(太平井戸)
集落が上村にあった当時、飲料水として使われていた井戸です。 竹富町の有形民族文化財に指定されています。 長い間、村の人々の生活を支えてきたことから、水恩に感謝し神聖なものとされるようになりました。今では節祭でこの井戸を清め、水恩感謝の儀式が行われています。
 
(7)いのちの泉
住吉集落の南側に住吉神社があります。 その住吉神社の横の階段を下りると井戸があり、傍に「いのちの泉」の碑があります。
 
(8)ウイヌカー(船浮)
船浮集落の水源となっていた所。船浮の水瓶、農業用水、洗濯のすすぎ場として利用されていたそうです。 中央の丸い水溜めは「すすぎ場」となっています。
 
(9)フネッチャーヌカーラ(船浮共同井戸)
船浮初の共同井戸(チャカーラ)。 海が近いため、塩分濃度が高く、飲料水としてではなく使い水として利用されたそうです。
 

 Page Topへ戻る   八重山のカー に戻る   八重山豆辞典 に戻る    HOME へ戻る


Copyright (c) 2008.8 yaeyama-zephyr

写真の無断転載・使用を禁じます。利用等をご希望される場合はメールでご連絡下さい。