鳩間島・住民憲章  作成 2014.03.08

 西表島の北約5キロに位置する人口60人たらず、周囲4キロの鳩間島。
 この島は2005年にNTVテレビドラマ「瑠璃の島」の舞台になったことで人気が高まり、2006年4月には石垣港から高速船の定期便が就航しました。
 急速に観光客の増加が増えていく中、公民館長の加治工勇さんを中心に、自然環境や伝統文化を後世に引き継ごう、「島らしさ」を守ろうとの決意を示した「鳩間島憲章」が制定されました。
 
鳩間島憲章 (2007年)

 前文

 竹富町の北端に位置する鳰の浮き巣と謳われ、琉球古典音楽の中でも一際格調高い鳩間中森で名高い島が私たちの鳩間島である。

 この島は美しい自然に溢れ、神の御加護を受け自然の恵みに畏敬と感謝の日々を生きてきた。この島は伝統芸能を生み、人々の生活に豊潤な支えを与え続けてきた。

 この島は子供たちの将来を考え、やむを得なく島を離れざるをえなくなった。
 過疎の波に翻弄され、学校存続に島人が東奔西走し厳しい選択の中で、人々が苦しみ葛藤してきた島である。島に生きる人々が自然と歴史に立脚した島の価値と役割を、正しく見据え今後島をどのように活かすかが、島に暮らす者の使命である。
 そして今、島を離れた人々がふるさとの重みを、どのように捉えるか、心のより所をどう求めるか、改めてこの島の存在がなんたるかを問う時である。

 私たちのふるさとを、未来永劫に残していくためのこの亀鑑は、鳩間島に係わる全ての人々が守るべき原則とする。私たちはこの島に誇りと夢を持ち、今後変わらぬ古里への思いを共有し、この島の豊かな自然と特有の伝統文化を継承し残すよう努め、更なる島の振興を誓い、次のことを目標としここに鳩間島憲章を定めます。

 条文

  1.私たちは、島の歴史と伝統文化を継承しその価値を損なうことのない島造りを進めます。
  2.私たちは、島の美しい自然環境の恵みを重んじ保全に努めます。
  3.私たちは、島のきまりを守り秩序ある島の生活環境を堅持します。
  4.私たちは、教養を高め人との和を重んじ子弟の教育に努めます。
  5.私たちは、島の特性をいかし地場産業の活性化に努めます。

 ※ 亀鑑:手本。模範
 
 
鳩間島公民館規律

島を守り、活かすために

 
私たちは、先人が築いてきた伝統文化と美しい自然環境を誇りとし、今後魅力ある島興しのため、「小さな島から成し得る可能性」を最重要課題として位置付け、島の特性を活かした方策を講じなければならない。従って、伝統文化と自然環境を守り、地域振興に資するため、鳩間島憲章の崇高な理念に基づきここに、次の事を順守する。

 1.島の土地や家屋を無秩序に売らない、貸さない、造らせない。
 2.海や砂浜、集落島全体を汚さない、汚させない。
 3.由緒ある御嶽や集落景観、美しい自然を壊さない、壊させない。
 4.島内でのキャンプや野宿をしない、させない。
 5.海産物や動植物等を、みだりに採取しない、させない。
 6.ゴミ等の分別徹底と、産業廃棄物の不法投棄をしない、させない。
 7.新たに島で生活する者に於いては、島の同意を得、島の規律を理解し順守し公民館活動に協力しなければ
   ならない。
 8.島の伝統祭事、行事を重んじ地域と学校との連携に努める。
 
 
鳩間島憲章(一部) 鳩間島公民館(コミュニティセンター)
  

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