ヤエヤマヒメボタルの鑑賞  作成 2015.05.23

1.エヤマヒメボタルの概要

 八重山には、9種類のホタルが棲息しているとされていますが、中には発光しないホタルもいます。発光するホタルで八重山を代表するものとして、ヤエヤマヒメボタル(八重山姫蛍:最近はヤエヤマボタルとも呼ばれます。)・キイロスジボタル(黄色筋蛍)・オオシママドボタル(大島窓蛍)の3種があげられます。
  この3種はそれぞれ成虫出現期(発光時期)が異なり、ヤエヤマヒメボタルは3月中旬〜5月下旬頃(西表島ではこれより少し早いようです。)、キイロスジボタルは冬季を除くほぼ通年、オオシママドボタルは9月中旬〜翌年1月初旬頃です。

 また、八重山のホタルは内地のゲンジボタルやヘイケボタルのような川で成長する「水棲ホタル」ではなく、全て山間部に棲む陸棲ホタル」です。しかもその棲息地は、どの山にもいるというものではなく、かなり局地的なものとなっています。ある所では非常に多くのホタルが棲息していても、そこから少し外れると全く見られないこともあります。また年によってその場所が変わることもあります。
 これはホタルの幼虫が餌としているマイマイ(カタツムリ)に依存しているからと考えられます。マイマイは通常、湿った草むら等に生息しており、生の植物や枯葉などやや分解の進んだ植物遺骸などを餌としています。このため、ホタルもマイマイも光の少ない樹林の下で、かつ適度な湿り気のある環境が棲息には必要ですが、近年そうした場所が少なくなってきています。
 
 ところで、ヤエヤマヒメボタルは、八重山のホタルの中で最も幻想的かつ華麗なもので、また内地のものと違って日没後の短時間(約30分間)しか見ることができず、その時間を過ぎると、ピタッと光らなくなります。(その発光時刻は、凡そ4月の初めでPm7:10〜Pm7:40、5月連休あたりならPm7:30〜Pm8:00となります。)

 このヤエヤマヒメボタルですが、体長は僅か2〜4mm、日本最小のホタルです。雌には羽がないため長距離の移動はできず、また雄の飛翔力もとても弱いため、活動範囲は極めて限定されたものとなっています。

 そして、このホタルは前述のように日没後(日が沈み辺りが少し暗くなってから)、藪の中から這い出してきて1秒間に3〜5回の早いリズムで点滅を繰り返しながら低空でゆっくりと飛び始めます。
 
 高いところは飛ばず、地面に近い所をゆっくりと飛びますが、数の多い日には何百、何千頭ものホタルが舞いますので、まるで森の中に光の絨毯を一面に敷き詰めたような幻想的な世界となります。時にはまるで全てのものを呑み込んで、まるで光のトンネルの中にいるような雰囲気にさせられます。しかし、その光はあっという間に消え、自身だけが真っ暗な森の中にとり残されます。それゆえにヤエヤマヒメボタルは多くの人達に忘れられない感動を与えてくれるのです。
 
 ヤエヤマヒメボタルの生息地は、石垣島と西表島に限定されますが、その鑑賞エリアについては、石垣島の市街地に近い所としては、「バンナ公園」のDゾーン・自然観察広場内のホタル街道、「前勢岳」の石垣島天文台への山道の途中、郊外では「屋良部林道」途中、「於茂登山」の登山道入口付近、「野底林道」途中、西表島では旧白浜街道などが代表的な場所として挙げられます。
 (このうち、西表島・旧白浜街道については、現在イノシシ防御のためのゲート・柵が設けられ通行禁止となっています。ゲートには鍵がかけられていますので、地元のホタルツアー業者等の案内のもとで鑑賞するようにして下さい。)

 一般には、市街地から最も近くて便利なバンナ公園内で鑑賞される方が多いようですが、公園整備が進むにつれ個体数が減っているように思われます。
 下の写真はこのバンナ公園内の、自然観察広場入口からホタル鑑賞エリアまでのルートを紹介したものです。
  
 1年かけて成虫になったヤエヤマヒメボタルの成虫の寿命はわずか5日〜1週間です。成虫は餌を全く口にせず、水だけを飲み、この5日〜1週間のうちに発光点滅をたよりに相手を探し交尾をして次代へ命を繋ぎます。
 ホタル鑑賞をするときは、ホタルたちの交尾の妨げとなるストレス(特に車のライトや懐中電灯の光)を与えずに、出来るだけ静かに鑑賞しましょう。短い繁殖期ですから、繁殖の妨げとなる行為は慎み、静かに見守りましょう。

 【鑑賞時の注意事項・ポイント

  @.出来るだけ懐中電灯を使わない(ホタルを脅かさない)、車の室内灯は消す。
  A.明るいうちにポイントに入るようにし、車のライトでホタルや森を不用意に照らさない。
  B.ストロボを使わない。

     (ストロボでは蛍の光は撮れません。蛍の光量は非常に弱いので普通の撮り方では絶対に撮影できません。)
  C.藪の中に入らない。(ホタルのためであることは勿論ですが、森の中にはハブもいて危険です。)
 

2.ヤエヤマヒメボタルの見られる山や道
 (この地図は対象となる山や道を示したもので、ホタルが見られる詳細ポイントを示したものではありません。)

 

3.バンナ岳のホタル鑑賞場所への案内

バンナ公園南口より300m名蔵寄りに西口がありますが、そこからしばらく進むと自然観察広場への入口があります。 そこを右手に曲がり坂を上って行きます。
左手にはホタル街道の表示があります。 坂を登りきった所にD管理棟があります。右手には駐車場がありますので車で来た時にはここを利用するとよいでしょう。
管理棟横の道を進みます。 少し歩くと左手への道が見えます。「であい橋展望台広場」方向に進みます。
階段を下っていきます。 階段の横にはこのような表示もされています。
よく整備された道を進みます。 このような階段もあります。
小川に架かる橋を渡ります。 シダ植物のコミノクロツグなどの茂る階段を上ります。
さらにこのような階段を進んでいきます。 階段を上りきると未舗装の小路が続きます。
小路をしばらく進みます。 生息エリアに到着です。下り坂になる手前周りです。
小路は、雨天後は滑りやすいので注意が必要です。 このような斜面にヤエヤマヒメボタルは棲んでいます。
このような道沿いの斜面が鑑賞場所です。 同左
 
ヤエヤマボタルの生息地に共通的なものとしては、山の南側斜面で、また風が直接当たらないような所が多いように思われます。
年によってヤエヤマボタルの出現数は大きく異なるようです。2013年は非常に数多くのホタルを見ることができましたが、2015年は例年と比較し随分と少なかったように思われます。
寒い日(気温の低い日)や風の強い日は、出現数は少なくなるようです。(満月の日は出現数が少なくなるという話もあるようです。)
 
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