No. |
名称 |
説明 |
処置【対処方法】 |
1. |
ハブクラゲ
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半透明の青みのある体であるため水中では見つけにくい。 最大のものは、かさの大きさが13cm、触手は標準成体で32本、長さは150cm以上にもなる。 6〜10月にかけてビーチの近くを群れを成して泳ぎ、水深50cm以下の浅瀬にも現れる。 カツオノエボシと同様に刺されると死亡することがある。 刺されると激痛になり、またミミズ腫れになったり強い痒みをもたらす。 まれに呼吸困難を起こすことがある。 6時間後に水泡、12時間後には壊死を引き起こす。 |
刺された部分は、手や砂で絶対にこすらないこと。 応急処置として、刺傷30秒以内に酢をたっぷりと(3分以上)患部にかける。 触手を箸や軍手などでそっと取り除く。緊縛または圧迫包帯し固定する。 氷水(ビニル袋に入れ)で冷やし急いで病院に行く。呼吸や心臓が止まった場合は、すぐに人口呼吸、心臓マッサージを行う。 |
2. |
カツオノエボシ
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初夏から冬に、気泡体(透明の小さなビニール袋状)から青いヒモが伸びたような小さなクラゲで、気胞(袋状)の大きさは2〜10cm、自己遊泳力はなく、風と潮流に乗って水面に浮かぶのが見られる。 八重山では、特に10〜11月の新北風(ミーニシ)が吹くと、東シナ海の北に面する浜に多く漂流、漂着する。 触手に刺胞毒を持ち、コイル状の青い触手は、平均10m 程度にも達する。(浜に打ち上がっているものでも、触手を触ると刺されることがある。) 触手に強力な毒をもち、刺されると強烈な電撃を受けたかのような激痛がある。 刺された痕は不規則な場合が多く、患部は炎症を起こして腫れ上がり、痛みは長時間続く。 二度目に刺されるとアナフィラキシー(アレルギー反応の一種)を起こし、ショック死する危険がある。 |
海水で洗い流して触手を除去した後、氷や冷水で冷やし、医療機関で治療する。
※ 通常のクラゲ刺傷には酢が有効とされているが、本種では逆効果である。 真水や酢による刺激にも反応して刺胞毒が発射されるので用いない方がよい。 |
3. |
ウンバチイソギンチャク
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おわん型で岩や褐色の海藻のような姿をしており、周りのサンゴ礁にとけこんでいるので見分けるのが難しい。サンゴ礁のリーフ内にも生息しているので、シュノーケリング中に触れて被害に遭うことも多い。体に刺胞球(1〜2mm)があり、強力な毒をもっている。
一定の形ではなく判断しにくいのでイソギンチャク類には手を出さないのが無難。また、周囲に十分注意し、むやみに周囲をさわらない。
刺されると激痛がありみみず腫れもできる。腎臓などに障害が出て治療が長期化するケースもある。 |
さされた部分はこすらず、触手(刺胞球)を取り除いた後、氷や冷水で冷やす。冷やすと痛みが和らぐ。
触手に、真水、アルコール、酢をかけると未発射の刺胞を刺激するので絶対しないこと。
また、砂をかけて払い落とすと未発射の刺胞が発射してしまうので絶対しないこと。
毒性が強いので、症状が長引いたり、腎臓が悪くなる場合もあるので必ず医療機関を受診すること。 |
4. |
アンボイナ
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殻の大きさが10cmほどの大きな巻き貝で、赤茶色の網目模様があるイモガイの一種。 毒銛をもっており、潮干狩りで採取して刺されることが多い。
神経毒なので刺されても痛みはほとんどないが、体がしびれて溺れる危険性がある。約20〜30分で呼吸困難、血圧降下、全身麻痺になる危険性あり。したがって、この貝がいたら決して触らないこと。これまで多くの死亡例が確認されている。
綺麗な巻き貝は不用意に採取しない。また、採った貝をズボンや海水パンツのポケットに入れないこと。 |
受傷部より心臓に近い場所をしばり、毒矢を取り除き、毒を吸い出す。
助けを呼び、安静にしてすぐに医療機関で治療を受ける。
呼吸停止の場合はすぐに人工呼吸を行うこと。 |
5. |
ウミヘビ
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ウミヘビはコブラの仲間で、強い神経毒をもっており、噛まれると体が麻痺して動けなくなる。
ウミヘビの方から近寄ってくることもあるが、危険を感じさせなけけばウミヘビから攻撃してくることはまずないので、いたずらしないようにする。
神経性の毒で、約20〜30分で呼吸困難、血圧降下、全身麻痺になる危険性がある。 |
傷の上部をしばり、早く傷口から毒を吸引する。痛みは少ないが危険。すぐに病院に行く。濃い紅茶や日本茶で傷口を消毒し、毒を中和するのも効果がある。 |
6. |
ヒョウモンダコ
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浅い海の岩礁や潮だまり、岩の下等に生息している体長10cmほどの小さなタコで、驚いたり刺激を受けると青色の円形の模様が鮮やかに浮かび上がる。綺麗な模様でも、決して掴まないこと。
ヒョウモンダコの毒はフグと同じ猛毒のテトロドトキシンであり、足の付け根にある「からすとんび」という嘴で咬むことで毒が注入される。
かまれると麻痺や呼吸困難になる危険性がある。 |
傷の上部をしばり、手などで毒を絞り出し、安静にし、すぐに医療機関で治療を受ける。
口で毒を吸い出すのは非常に危険なので、絶対しないこと。
呼吸困難な場合には、人工呼吸をする。 |
7. |
オニダルマオコゼ
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浅いサンゴ礁等にいることが多く、色や形が石や岩によく似ており(擬態)、じっとして動かないため気づかずに踏みつけてしまうことがある。
背びれに棘があり、この根本に毒のつまった袋がある。棘はゴム底の靴を貫通するほど強力。(このためフェルト底の靴がお勧め)
オニダルマオコゼの毒は猛毒で、ハブ毒の30倍以上と言われる。
刺されると激痛やしびれがあり、腫れる。吐き気や麻痺の症状を起こすこともある。海外では死亡事例も報告されている。
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棘が残っていれば、目に見える大きな棘は取り除く。
刺されてすぐであれば、傷口から毒を絞り出すことも有効。
痛みを和らげるため、患部を40〜45度のお湯に30〜60分つける。やけどしないよう、お湯の温度に気をつける。
医療機関で治療を受ける。
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8. |
ゴンズイ
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浅い岩礁や砂地の浅い海に生息し、集団で行動する習性がある。「ゴンズイ球」と呼ばれる集団は、だんご状になって移動する。
背びれと胸びれに毒棘がある。釣れたゴンズイを釣針から外す時に被害に遭うことが多く、刺されると数日間激痛が続き腫れる。吐き気や麻痺の症状を起こすこともある。
刺されないためには直接素手でゴンズイにさわらない。.また、釣り上げたゴンズイを釣針から外すときは、十分注意する。
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棘が残っていれば、目に見える大きな棘は取り除く。
.痛みを和らげるため、40〜45℃程度のお湯に、30〜60分つける。やけどしないよう、お湯の温度に気をつける。
医療機関で治療を受ける。 |
9. |
ミノカサゴ
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岩場に隠れたりしている棘のある長いひれのある魚。とても美しく、動きはゆっくりで、近づいてもあまり逃げない。
広げたひれは綺麗だが、驚くと背びれをたてて威嚇する。とにかく触らないようにする。
背びれ、腹びれ、尻びれに毒があり、刺されると激痛があり、腫れる。吐き気や麻痺の症状を起こすこともある。 |
棘が残っていれば、目に見える大きな棘は取り除く。
.痛みを和らげるため、40〜45℃程度のお湯に、30〜60分つける。やけどしないよう、お湯の温度に気をつける。
医療機関で治療を受ける。 |
10. |
ガンガゼ
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浅いサンゴ礁や岩場などに生息している、20〜30cmの長い棘のある雲丹。
ガンガゼの棘は鋭く、皮膚に突き刺さりやすい。さらに、もろく折れやすい構造になっているため、刺さると除去は難しく、体内に残りやすくなっている。
このためリーフや岩場などを歩くときは、底の硬い靴をはくこと。
刺されると激痛があり、腫れる。吐き気や麻痺の症状を起こすこともある。 |
棘が残っていれば、目に見える大きな棘は取り除く。棘を取り除く際には、必ずまっすぐに抜く。曲げたりゆすったりすると、棘が折れて体内に残ってしまう。(ガンガゼの棘はもろくてすぐに折れるので、取り除くことが難しい時は病院に行くのが無難。)
.痛みを和らげるため、40〜45℃程度のお湯に、30〜60分つける。やけどしないよう、お湯の温度に気をつける。
医療機関で治療を受ける。 |
11. |
オニヒトデ
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珊瑚礁に生息し、サンゴを食い荒らす大敵として有名。全身が棘で覆われている大型のヒトデで、大きさは30〜40cmほど。色は灰色、オレンジ色、青色などさまざまある。昼間はテーブルサンゴの下に隠れていることもある。
刺されると激痛、腫れ、吐き気や麻痺の症状を起こすこともあり、数時間、ひどいときは数日続くこともある。
予防策としては、
・オニヒトデを素手で触らない。
・リーフを歩くときは、底の硬い靴をはく。
・テーブルサンゴの下や穴の中にむやみに手を入れない。 |
棘が残っていれば、目に見える大きな棘は取り除く。
痛みを和らげるため、40〜45℃程度のお湯に、30〜60分つける。やけどしないよう、お湯の温度に気をつける。
医療機関で治療を受ける。 |