舞台の芸能 2019 (2日目)その3 作成 2020.08.01  
2019年10月21日に開催された竹富島の種子取祭の「舞台の芸能」の様子を紹介します。
2日目は仲筋村の演芸となりますが、一度に全ての演目を紹介することができませんので、いくつかに分けて紹介します。

ここは、その3です。なお、説明書きは主にこれまでのものを流用しています。
 

20.扇子舞

二つの扇子で優雅に舞う踊りです。

 
 
     

21.する掬い (スルックイ)とたこ捕り  

スルというのは、キビナゴのことで、網を持っているのが竹富島の女2人で、天秤を持っているのが石垣島から来た男。
種子取祭を迎えるに当たって、コンドイ浜にスルを採りに行った際の、それぞれの方言でのやりとりをコミカルに描いたものです。
島の性風俗を描いた部分もあるそうですが、それを自然で明るく表現しているのだそうです。


今回はひき続き「たこ捕り」が演じられました。種子取祭では、それぞれの家ではタコ(マダコ)とニンニクが振る舞われますが、。これは、タコはその吸盤で「福を引きつける」という意味から供されているそうです。竹富島では、タコをンゾー(和名はウデナガカクレダコ)と言いますが、島の人たちは干潮のとき潮干狩りがてら獲りにいくそうです。

竹富島の女2人(勿論男性2人の演技)ともう一人は石垣島から来た男。
 
  手に網を持ってスルを追い込み掬い採ります。
 
掬ったスルをかごに移します。   続いて「たこ捕り」が演じられました。
長い柄の鉤爪でたこを引っ掛けて捕ります。
 

22.長刀

長刀の舞

 
     
 
     

23.海上節

かつては5・6月に南東からの季節風を利用して八重山から琉球(沖縄本島)への航海を行い、10月頃には北東方向から吹く「新北風(ミーニシ)」の季節風で八重山へ航海していました。
季節風を利用する航海には危険が伴います。この歌は公用船が出航するにあたり航海の安全祈願をするため、一晩掛りで願いを込め徹夜で歌い踊り続けたそうです。

     
 
 
 

24.サングルロ

ソングルロは、とても奇妙な姿で、黒頭巾をかぶり、長い糸で顔を隠した女性達の踊りです。ドラの音に合わせて飛び上がったり、突然止まって動かなくなったり、奇妙な動きをする特徴のある踊りです。また、最後(退場時)は、一人ひとり転がりながら舞台裏へと退場します。
踊りの由来については、人頭税時代に、年貢を逃れようと、子供が大人になっても分からないようにするためにこのような姿に扮したものの、それに対して士族らは、下着のない時代だったのでサングルロを踊らせ、転がるのを見て大人か否か見極めたのではないかということだそうです。

女性達は黒頭巾をかぶり、長い糸で顔を隠しています。 2人しか写っていませんが、4人による踊りです。体を左右に傾けます。
ドラの音に合わせて動き回ります。
時々、手をあげて飛び上がったりします。
拳を握って向き合います。  
 
何度も思いっきり飛び上がります。 最後は一人ひとり横に転がって退場します。今年の席は前の観客との距離があまり無く撮影しづらい状況でした。

25.鬼(ウン)狂言 [鬼捕り] 

「仲筋地区の舞台の奉納芸能の最後、つまり種子取祭のトリを飾るは、「 鬼捕り 」 です。
「鬼捕り」は、人食鬼を生け捕りするように命令された棒術使いの武士(福仲親雲上)が、山中で、兄が人食鬼にさらわれたと、一人でしょんぼり座っていた親に捨てられた子供を発見し介抱します。その後、武士は、鬼の住む洞穴を発見し、鬼の夫婦と格闘の上、鬼の夫婦を生け捕り、無事、さらわれた子供を取り返します。そして、この捨てられた子供達を、救出した武士が自分の手で育てるという物語です。
この芸能は西表島の古見から竹富島に伝えられたとされていますが、元々は沖縄本島から伝わったもので、舞台も沖縄本島の本部山とされています。

まずは兄弟の登場です。
 
鬼が兄をさらいます。
武士は役員席にも力強さを誇示します。
 
武士は、鬼の住む洞穴を発見し鬼の夫婦と闘います。
  まず一匹の鬼が捉えられます。
 
もう一匹の鬼が登場します。   鬼はかなり派手に暴れまわります。
 
   鬼は大石を投げつけたりします。
鬼は大立ち回りで観客を盛り上げた後、3人がかりで捕えられます。鬼の夫婦はともに生け捕られます。 無事、さらわれた子供は取り返されます。これは子供たちが再会した後です。
捕らえられた鬼が暴れながら退場します。

仲筋村の舞台の奉納芸能も終わり、2日間に亘る奉納芸能が全て終了しました。
 

奉納芸能終了挨拶

最後に、公民館長が挨拶をされ、午後5時30分ごろ終了しました。


各説明書きにつきましては、その多くを「竹富島文庫T 種子取祭 」(発行:遺産管理型NPO法人 たきどぅん)、その他から引用させて頂きました。内容につきましては、私の把握違いや意味を正しく理解していないこともあろうかと思いますので、その点はよろしくご理解のほどお願いします。
  

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