「高那節」は、別名「ザンザブロウ」とも呼ばれています。
竹富島の高那村に伝わる民謡で、歌意をとるのが難しい民謡とされています。冬に村人達が漁のために遠出し、その中で帰って来なかった子がいて心配していると、ざんざ(漁場)にいるという知らせが入り、村人は大喜びし、お祝いだ、料理をつくろう、味見をしよう、今日は誇らしい日だというような意味のようです。
一方で、新城島のジュゴン取り達が西表の高那村へ行って漁をした歌という説もあるようで、「ザンザブロウ」は、正しくは「ザンザブル」と言いザン(ジュゴン)のザブル(頭)とか。ジュゴンの皮を首里に献上するのに、新城の漁師達が西表の漁場で漁をし、獲物を捕った喜びの歌という説もあります。
この他にも、ヤマト人の山三郎(ざんざぶろう)が遭難して西表の高那村に住み着き、土地の娘と結婚し、二人の間に生まれた娘が、嵐が来るから辞めろと言うのに海へ行ってしまったが娘は無事に帰ってきます。嬉しくて感極まった父親の山三郎が即興で歌ったのがこの高那節という説もあるようです。
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