庭の芸能 2018 (2日目)  作成 2018.12.29

 2018年の種子取祭における芸能は10月25日と26日に開催されました。
 芸能2日目は、例年同様に午前9時半頃に参詣の集団が種子取祭の催事場である世持御嶽に戻り、御嶽前の広場の庭でンカ イ(迎え)が行われ、「巻き歌」が謡われました。
 その後、庭の芸能が繰り広げられましたが、庭の芸能は、ゾーラッキ(行列)と称されているように、数十名の人々が隊列を組んで演じるものです。この庭の芸能は、玻座間村と仲筋村の人々が一緒に、竹富島の基本精神である「うつぐみ(協力一致)の心」で演じるものとなっています。
 今年は10時30分過ぎまで演じられ、その後、特設舞台の芸能に引き継がれました。

庭の芸能の様子(2日目:2018.10.26)

ンカイ(迎え)
玻座間村西集落の主事宅への参詣を済ませた神司などの集団が、種子取祭の催事場である世持御嶽に入場するのを参加者一同で出迎えた後、「巻き歌」が謡われます。
 
神司などの集団が戻ってきます。これを一同で迎えます。 巻き歌」を謡いながら広場(庭)に入場します。
皆で巻き踊りをします。  
その後、皆で「ガーリ」を舞います。
続いてはホラ貝、太鼓×2、ドラの登場 この後の庭の芸能に出演する男性達が庭を一巡します。

【ここより庭の芸能(2日目)】  

1.棒
 棒は種子取祭を開催するにあたっての清め、お祓いと言われています。ホラ貝、銅鑼、太鼓の音に合わせ、最初は1・3・5番棒が、次に2・4番棒が演じられます。次に全員で演じた後、個別に1番棒から5番棒まで順に演じられます。
 1番棒は、三尺棒での棒合わせ                    2番棒は、刀と槍との戦い
 3番棒は、刀と槍との戦い                        4番棒は、鎌と薙刀の戦い
 5番棒は、刀と薙刀との戦い

まず1・3・5番棒が、次に2・4番棒が演じ、続いて全員で演じます。
その後、1番棒から順に演技が行われます。これは1番棒。     
これは2番棒。     
 
これは3番棒。     
 
これは4番棒。特に勇壮な演武です。  
これは5番棒。

 
2.太鼓
最後尾の若衆姿の鉦鼓打ちのリズムに合わせ、小太鼓を左手で持ち、右手のバチで叩くものです。
頭には鉢巻を締め、袴に下駄を履く姿は、薩摩藩士に倣ったものと考えられます。

太鼓は竹富小中学校の生徒と教職員による奉納です。
     
 

  
3.マミドー
マミドーとは、マー(真)・ミードー(女)の意味で、「りっぱな女」「女の中の女」「働き者の女」という意味だそうです。真栄里家の働き者の女性をモデルにして振り付けがなされているそうです。

ガイジンナー(種子を入れる器)を持って入場します。 畑を耕す様子が表されています。
1800年以前に創作された踊りだそうです。

  
4.ジッチュ
人頭税の厳しい時代。10人もの子供のいる農民がいて、税金の過酷さにもかかわらず、10人の子供を皆りっぱに育て、しかも年貢もきちんと納めました。それが琉球国王に知られ、表彰されることになり、その喜びを表した踊りです。
夫婦と10人の子どもは、貧しさゆえに着物の袖を片袖で間に合わせたことから、踊りもそうした姿で踊られます。なお、ジッチュとは10人という意味です。

片袖を抜いて踊る姿がとても美しい踊りです。
「シチュ、シチュ」という掛け声で踊ります。  
   
 

 
5.マサカイ(真栄節・南風作田ユンタ)
真栄(マサカイ)は1701年に大山家で生れ19歳で分家して小山家の租となりましたが、その後、自ら進んで西表島・仲間村の開拓のために移住しました。その真栄の開拓精神が歌になったのが「真栄節」です。

開墾の様子が演じられています。
   
 
    

 
6.祝い種子取(道歌・安里屋ユンタ・クイチャー)
竹富島の代表的な民謡の「世乞いの道歌」「安里屋ユンタ」「クイチャー」の3曲構成で踊られます。
この「祝い種子取」は、今は竹富島を離れた
石垣竹富郷友会の婦人部による奉納芸能です。

皆さん、種子取祭のために帰郷し演じておられます。
踊りはとてもよく揃っていてとても美しいです。  _

 
7.腕棒
仲筋集落の女性によって演じられる演目です。腕棒は空手を取り入れた女性どうしの戦いの演技ですが、彼女たちは結構本気でやっていて、時には倒される人もいるほどで、笑いと喝采が湧き起る演目です。

全員勇ましく入場します。
 
真剣勝負している組もあり、負けると倒れることもあります。
   

 
8.ンーマヌシャ(馬乗者)
種子取祭では人気の高い踊りで、頭にマンサージ(紫頭巾)、足に脚絆と草履、腹に馬型を括りつけ隊列を組んで踊ります。
この演目で「庭の芸能」が終わります。

踊りはユニークかつ勇壮です。
 
     
隊列を作り道を練り歩くような姿が特徴です。

この後、特設の舞台に会場を移し、「舞台の芸能」が執り行われました。

 
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