竹富島重要伝統的建造物群保存地区 作成 2012.10.06
伝統的建造物群保存地区とは、日本の文化財保護法に規定する文化財種別のひとつで、城下町・宿場町・門前町・寺内町・港町・農村・漁村などの伝統的建造物群、およびこれと一体をなして歴史的風致を形成している環境を保存するために、市町村が都市計画または条例などにより定めた地区を指します。
この市町村が定めた伝統的建造物群保存地区のうち、文化財保護法第144条の規定に基づき、特に価値が高いものとして国(文部科学大臣)が選定したものが重要伝統的建造物群保存地区です。 そして、国は、市町村の保存事業への財政的援助や技術的指導を行っています。 略称は重伝建地区(じゅうでんけんちく)、重伝建(じゅうでんけん)です。
この制度は、昭和50年の文化財保護法の改正によって発足しましたが、これにより全国各地に残る歴史的な集落、町並みの保存が図られるようになりました。[*1]
2012年(平成24年)7月現在、伝統的建造物群保存地区は、全国で41道府県81市町村の98地区が選定されています。
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この制度は、文化財としての建造物を「単体」ではなく「群」で保存しようとするもので、保存地区内では社寺・民家・蔵などの「建築物」は勿論、門・土塀・石垣・水路・墓・石塔・石仏・燈籠などの「工作物」、庭園・生垣・樹木・水路などの「環境物件」を特定し保存措置を図ることとされています。 |
竹富島は、島の「農村集落」がよく保存されていることから、1987年(昭和62年)4月28日に、国より重要伝統的建造物群保存地区の指定を受けました。 指定面積は38.3haとなっています。
島のほぼ中央部にある玻座間・東、玻座間・西、仲筋の3集落は、かつての農村集落の景観をよくとどめています。
【竹富島の集落景観の特徴】
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赤瓦の屋根と、強風により瓦が飛ばされるのを防止するために塗り固められた白い漆喰。それらによる紅白のコントラストの美しい方形屋根の連続。屋根の上のシーサー。 |
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屋敷を強風から守るために四方を囲むグック(石垣:珊瑚の石積み)。グックの高さは約1.5mで、ちょうど歩く人の目線を遮る高さに構築。玄関部分には強風防止と、道を歩く人の視線を遮断するためのマヤカシ(ヒンプン)を設置。 |
(3) |
白いサンゴ砂が敷かれた道。白い道の両側でグックにからむように咲き乱れるハイビスカスやブーゲンビリアの花。 |
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屋敷は琉球王朝の身分制度により、東西、14.5間、南北12.3間(約200坪)の広さに均等に区画。敷地の中心にフーヤ(母屋)を建て、その西隣にトーラ(炊事棟)を設置した「別棟型民家」の様式(火災発生時の延焼防止対策) |
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