白保集落の散策  作成 2013.06.15

1.白保の概要

 白保は石垣・市街地から、約9km、車で東(南ぬ島・石垣空港)方向へ約20分のところに位置する人口1,600人ほどの集落です。 沖縄の伝統的な木造・赤瓦屋根の住宅やサンゴを積み上げた石垣が今でもよく残されており、防風林として植えられたフクギも屋敷林として方々の家で見ることができます。 かつては沖縄のどこでも見ることのできたと思われる集落の佇まいで、どこか懐かしい、のどかな雰囲気を味わうことのできる集落です。

 郷土芸能の盛んな白保は、夜になると三線の音色や八重山民謡の歌声があちこちから聞こえてきます。 芸達者な人も多く、夏の豊年祭では白保村独特の芸能である「稲の一生」が演じられます。 また、八重山民謡の中での派手な仮装行列も行われます。 ほかにも、海神祭(ハーリー)や獅子舞(イタシキバラ)などの祭りも執り行なわれ、こうした行事はほぼ年間を通じて開催されます。 古き良き八重山の文化が今でもたくさん残っている集落、それが白保です。

 白保は歴史の古い集落で、1647年の古文書には、宮良村と二村で宮良間切を形成していたようです。 明和8年(1771年)4月24日(旧暦3月10日)に発生した大津波で、白保は壊滅的な被害を被りました。 この明和の大津波前の白保の人口は1,574人と多く、当時としては最大の人口数で、交通、経済の面でも重要な村でした。 しかし、津波で人口の98%を失い、生存者は僅か28人という大損害を受けます。 そのため津波後に波照間島から418人が移住することになります。 村の復興は元の所ではなく、上の村(ウイヌムラ:現在の集落の北側)へ移し、近くにあった真謝村と合併したようですが、そこは色々な面で不便であったため約10年後に元(=現在)の地に戻ってきたそうです。 そして、津波で埋もれていた「真謝井戸(マジャンガー)」を掘り起こし、新たな生活をスタートさせていくこととなり、これが今日へと繋がっています。

 ところで、石垣島の新空港問題で有名になった白保のサンゴ礁ですが、このサンゴ礁は白保集落の北東方向に位置する南北10km.最大幅約1kmに渡って広がる裾礁で、世界に誇る美しさを有する、世界が認めたサンゴ礁です。
 現在は西表石垣国立公園に指定され、海中公園地区にもなっていますが、この白保のサンゴ礁では何と言ってもアオサンゴ群落が有名です。これは、白保サンゴ礁のシンボル的存在とも言われています。 北半球で最大規模を誇りかつ最古といわれる白保のアオサンゴ群落ですが、生息域はとても浅い所にあり干潮ともなると、ほとんど干上がり、その中の狭い溝を取り囲む壁のように見えます。 アオサンゴの外観は灰色に見えますが、折れている所(サンゴ骨格)を見ると青いことからその名が付けられています。 その他にも様々なサンゴがそれぞれ適する場所に群落となっています。黄色いお花畑のようなユビエダハマサンゴや、宝石のようなエダサンゴなど多様なサンゴ群落があるのが、白保のサンゴ礁の特徴となっています。

 近年、地球温暖化のために海水の温度が上昇しサンゴの白化現象も多くなっています。 また、オニヒトデの繁殖による食害や、農地からの赤土流入による呼吸困難からの死滅等、サンゴの生息環境も年々厳しくなっています。 加えて、ダイビングやシュノーケリングによりサンゴの上に人が立つことでの踏みつぶしや、ボートのアンカー打ちによる破砕等、サンゴにとっては極めて厳しい生息環境になりつつあります。 この貴重な白保のサンゴ礁をいつまでも保存していきたいものです。

2.白保の地図 

 

3.白保の散策スポット

白保公民館
新石垣空港建設地の受け入れに伴う白保振興策の目玉事業として石垣市・県が支援し、公民館がこれに自己資金(基金、募金)を合わせて整備しました。 これは敷地内にある、太平洋戦争時の砲弾を利用した爆弾「鐘」です。不発弾から火薬を抜き、村の連絡用に使われていました。
 
白保小学校の三本木
校庭に「アコウ」「ガジュマル」「デイゴ」の三本の巨樹が並んで生育していて、地元では通称「三本木」と呼ばれ親しまれています。 左右の写真とも、右側から「アコウ」「ガジュマル」「デイゴ」の順に並んでいます。
 
白保小学校のアコウの木
道路沿いの北側の角に大きなアコウ(オオバアコウ)の巨木があります。後ろは体育館です。 推定樹齢150〜200年といわれ、石垣市の「緑の戸籍簿」にも登載されています。
 
白保小学校
明治23年からの長い歴史を有する小学校です。ここが校門(正門)です。 正面は校舎です。100名を超える生徒が学んでいるそうです。
 
旧八重山琉染工芸館
ここは、サンゴ染めで有名な旧八重山琉染工芸館です。外周は立派な石垣に囲まれるとともに立派なフクギ並木となっています。 右手奥には茅葺・古家等が建っています。
 
しらほサンゴ村・WWFジャパン
ここはサンゴ礁保護研究センターで、サンゴの調査と保全に取り組んでいます。 広い中庭の周囲には、サンゴに関する色々な資料が展示されています。
 
オーセ
「オーセ」は、「白保サンゴ村」の北側、道をはさんだ向かい側にあります。 「オーセ」とは、かつて琉球王府の時代、人頭税を徴収するための役所(番所)が置かれていた場所です。
 
真謝井戸(まじゃんがー)
かつては地域の貴重な飲料水源であり、民謡「しんだすり節」にも歌われた井戸です。 井戸のそばには、井戸の歴史などが書かれた碑が建てられています。
 
嘉手刈御嶽(かでかるおん)
白保集落のほぼ中心に位置し、真謝井戸の前にある御嶽です。 豊作を祈る「豊年祭(プーリィ)」が行われる場所の一つとして有名な御嶽です。
 
真謝御嶽(まじゃおん)
「真謝御嶽」は、白保集落の豊年祭・オン(御嶽)プールの行なわれる4ケ所の御嶽の一つです。 「真謝御嶽」は、明和の津波のあと白保に赴任した馬真謝(真謝井戸を掘らせた人)が祀られているという言い伝えがあります。
 
トイの御嶽
「トイの御嶽」は「オーセ」の北側にある御嶽ですが、由来については調査不足で不明です。
この「トイの御嶽」には、拝所の前に通常ある鳥居は設けられていません。
 
ゆらてぃく文庫
「ゆらてぃく文庫」は、昔ながらの赤瓦の古民家を開放して、自然と昔ながらの風景の中で本を読んだり、読み聞かせが行われています。 「ゆらてぃく文庫」は毎月第2日曜日に開かれています。
ここは最近では、映画「ペンギン夫婦の作り方」のロケに使われました。
 
エジンバラ公訪問記念碑
1992年にWWFの総裁として英国エジンバラ公フィリップ殿下が白保海域のサンゴなどを視察され、白保船着場に植樹をされたことを記念する碑です。 エジンバラ公の訪問により、白保のサンゴ保護が国際的に取り上げられるようになりました。この記念碑の裏にはハーリーのサバニが置かれていました。
 
舟溝開砕記念の塔
ここの東北東800mの位置に、ワタンジを越えて船が航行しやすいように切り開いたことを記した碑です。 「ワタンジ」とは、浜から干潮時に海面上に現れるピー(リーフエッジ)まで続く浅瀬のことです。
 
船着場
白保には港はありません。その代わりサンゴの岩で囲った小さな船着場があります。 世界有数のアオサンゴの大群落や巨大なハマサンゴを見ることのできるグラスボートなどは、この小さな船着場から出航します。
 
浜のニンゲイ(願い)石
2つある大石の南(右)側の石がニンゲイ石で、集落の神司や女たちが祈りを捧げます。 北側の方向の景色です。ニンゲイ石の一つおいた北(左)側の大石は、プーイシと呼ばれています。
 
波照間嶽(アスクオン)
1771年に起きた「明和の大津波」で壊滅したため、波照間島から強制移住させられた島民が、郷里・冨嘉集落の阿底御嶽の神を分けて祀ったものとして伝えられています。 波照間嶽の遠景です。手前はキビを刈り取った後の畑です。
 
多原嶽
白保集落の北側にあり、白保にある4つの御嶽の中では最も規模は小さいものの、白保で一番歴史のある御嶽です。 多原嶽の遠景です。多原嶽は波照間嶽と近い距離にあり、波照間嶽の北東方向に位置しています。
 
柳田國男歌碑柳
この碑は、柳田が大正10年に石垣島来島中に、「あらはまの まさごにまじるたから貝 むなしき名さえ なほうもれつつ」と詠み、地元の新聞に掲載されたのを記念にしたものです。 この歌碑は、船着場を北の方向にしばらく歩いた所にあります。
 
青サンゴ群落
青サンゴは、フィリピンやオーストラリアなど海外の海でも見ることができますが、ここ白保の青サンゴ群落は世界最大規模のものです。 一時期、白保の海を埋め立てて新空港を建設する案が出されましたが、サンゴ礁の重要性が認識され空港建設反対運動により廃案となりました。
 
白保郵便局 白保バス停
唯一の金融機関とも言える郵便局です。前には白保の地図が表示された看板(下を参照)が設置されています。 バスで島内観光する場合に利用する、「白保」バス停です。
A−19とA−20通りの間にあります。
 
白保ゆらてぃく地図
これは今編です。 これは昔編(戦前・戦後)です。 これは広域編です。
 
白保の美しい町並みいろいろ
ヤシの木やブーゲンビリアも見られる通り 背の高い石垣と、フクギの屋敷林のある通り
少し背の低い石垣と、フクギの屋敷林のある通り もっと背の低い石垣と、フクギの屋敷林のある通り
フリーのガイドブックにも載ったことのあるシーサー 立派な松の木のあるお宅(ヒンブンとして活用?)
赤瓦の小さなケーキ屋さん ”おかしの家「papiru」” ニトベカズラなどきれいな花もたくさん見られます。
 
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