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スムース・カイエン (島パイン、ハワイ種、在来種、「N67-10」とも呼ばれます。)
世界的に一番多く生産されているのがこの品種群です。主要品種は、1958~59年(昭和33~34年)に琉球政府経済局がハワイからパイナップル種苗(スムースカイエン種)を導入し、一般農家のほ場で栽培したものの中から選抜を行い、さらに1967年に沖縄県農業試験場名護支場において個体選抜を実施して生み出した「N67-10」です。
「N67-10」は、果実が大きく、酸味と甘味のバランスがよく、果汁もたっぷりでみずみずしく、完熟した黄橙色の果肉は口の中でとろけ絶品です。生食はもちろん、缶詰やジュースにも最適で、果実のサイズは1~1.5kgくらいです。
また、不良形質果実の出現がきわめて少なく、不要芽の発生が少ない「省力多収型」の品種として長年にわたり沖縄県のパイナップル産業を支えています。
八重山では一般に、島パイン、ハワイ種と呼ばれていますが、6月下旬から7月の時期の完熟したものは絶品です。
※ 「JAおきなわ」では、2021年にこのハワイ種(N種)に「ジュワリーパイン」という新しい名称を付け(商標登録申請)、知名度向上やブランドの確立、消費拡大を目指しています。
「ジュワリー」は豊富な果汁量と宝石(ジュエリー)のような果肉のイメージから名付けられました。
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ボゴール (スナックパインとも呼ばれます。)
一般に「スナックパイン」と呼ばれる台湾原産の品種です。果肉を手でちぎって食べられるパイナップルです。お尻の部分をカットし、あとは節目にそって親指を入れ千切ると、一口サイズの
果肉が取れますので、この実の黄色い部分を食べます。
果肉は糖度が高くて酸味が少なく、また、芯も比較的柔らかく甘いので食べられます。ただ葉や実に小さな棘(特に葉には鋭い棘)があるので取扱に注意してください。1玉0.7~1kg程度で、4~8月頃に出回ります。
他のパイナップルとは、やや小型で上部の首の部分の形状が異なりますので、識別はしやすいかと思います。
※ 「JAおきなわ」では、2021年にこのボゴールに「ポコットパイン」という新しい名称を付け(商標登録申請)、知名度向上やブランドの確立、消費拡大を目指しています。
「ポコット」は手でもぎ取って食べられるイメージを名前にしたそうです。 |
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ソフトタッチ (ピーチパイン・ミルクパインとも呼ばれます。)
「スムース・カイエン」と「I-43-880」の交配から育成され、1999年(平成11年)に登録された品種です。果肉が白っぽくて甘い香りがすることから一般に「ピーチパイン」と呼ばれていますが、他にも「ソフトタッチ」「ミルクパイン」とも呼ばれます。果皮は未熟なときは黄色っぽく、熟すと全体が赤みがかってきます。
乳白色の果肉は果汁量も多く、普通に国内に流通しているパインに比べて酸味が少なく、甘みがとても強いのが特徴です。夏実の糖度は17%前後、酸度は0.5%前後で、高糖低酸でモモに類似した香りがあり、食味に優れています。果肉が従来の品種に比べて特に柔らかいことから「ソフトタッチ」と命名されました。芯も柔らかく食べられます。
サイズは1玉あたり0.6~0.8kg程度と小ぶりです。収穫時期は4~7月頃です。
平成8年に初めて登録、公表された沖縄原産の新品種です。 |
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ゴールドバレル (沖縄8号)
「クリームパイン」×「McGregor ST-1」の交配から育成され、2006年(平成18年)に品種登録されたパイナップルです。円筒形で、平均的な重さは1.4kgくらいあり、他の品種と比較し大きめです。大きいものは2.5kgにもなり、ボゴールやソフトタッチの1.5~3倍にもなります。
成熟時の果皮は鮮やかな黄橙色で果肉は柔らかで、酸味が少なく糖度が高いため、甘味が強く感じられます。平均糖度は16度以上、酸度は0.5%前後で、バランスが良く、極めて美味な品種です。6月下旬~7月頃が収穫時期です。
一般的なパインアップルは3~4年で2回収穫しますが、ゴールドバレルは3年で1回の収穫です。
当然、他の品種と比較し収穫量が少なくなります。加えて、栽培は難しく、病気にも弱いのですが、極めて美味なため品種選抜過程で残ったそうです。(但し、冬実は高糖で高酸となり食味が劣り、生食にはあまり適しません。
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稀少かつ超美味な新品種ですが、価格も他のパイナップルとは格段に高価な品種です。
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クリームパイン
栽培している農家があまりないこともあり、国内流通がほとんど無い希少品種です。地元でもなかなかお目にかかれません。
普通のスムース・カイエン(ハワイ種)と同等の糖度でありながら、酸味は押さえ気味です。
ソフトタッチに似た真っ白の果肉と、独特のバニラクリームのような甘い香りと味があり、さっぱりとした爽快感のある美味しいパイナップルです。優しい口当たりで、パイナップル特有の食味の刺激感もあまりありません。 |
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サマーゴールド
「クリームパイン」と「McGregor ST-1」の交配から育成され、2004年(平成16年)に品種登録されたパイナップルです。
果実の日持ちが比較的長い品種です。果肉が黄色く食味が良いことから「サマーゴールド」と命名されました。
円筒形でサイズは1kgほどで、果汁が豊富で柔らかな果肉は甘味が強く、酸味は少なめで、食味のよいパイナップルです。ピーチパインとは違った香りがあり、酸味・甘みに気品があります。7月~8月頃がシーズンです。
新品種のパインということもあり、栽培農家数が少なく、なかなか出回らないパイナップルです。 |
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ゴールドパイン (ゴールデン・黄金[クガニ]パイン・ティダパインとも呼ばれます。)
デルモンテ社が独自に品種改良したもので、「スムース・カイエン」種に属する糖度の高く甘味の強いパイナップルです。果肉はオレンジ色に近い黄色をしていて、上品な香りがします。サイズは1~1.5kgくらいで他の品種より一回り大きくなります。「ゴールデンパイン」「黄金[クガニ]パイン」「ティダパイン」などとも呼ばれますが、正式名は「デルモンテ
ゴールド パイナップル」です。石垣島では「黄金パイン」の愛称で出荷されているのが多いようです。
ゴールドパインは果実を切った瞬間に心地よい甘い香りが漂い、またスムース・カイエンなどとは違った甘さの質、強さを楽しむ事ができます。
通常のパインよりも手間暇かけて栽培されるゴールドパインは、石垣島でも栽培している農家はまだ少なく貴重なパインです。(石垣島では主に名蔵地区で生産されています。) |
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ジュリオスター (沖縄10号)
「ジュリオスター」は、1989年に県農業研究センターのパイナップル育成指定試験で「クリームパイン」と「N67-10」を交配し育成したもので、開発に20年の研究期間を費やし、平成21年(2009年)に品種登録されました。7月(July)に熟すので「ジュリオスター」と名付けられたそうです。
早生で日持ちがよく、黒目病の発生率が5.3%と、20%を上回るボゴールやソフトタッチと比べてかなり低いなど果実病害が少ないことが特長。
果肉は黄白色で、糖度と酸度がいずれもゴールドバレルより高く、果汁が豊富で甘酸っぱい爽やかな食味が楽しめる品種です。果形はたる形で、果実重は1.2kg前後となります。
新品種である「ジュリオスター」の大きな強みは、多くの品種の収穫が終わる8月に出荷が可能なことにあります。今後、贈答用などの高級果実として期待されます。 現在ではまだまだ出荷量は僅かですが、今後が楽しみな品種です。 |
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ホワイトココ (沖農P19)
「ホワイトココ」(品種名:沖農P19)は2000年から開発に取り組み始め、2021年2月に商標登録されたパインアップルで、農林水産省に品種登録を出願し、2021年12月に登録されました。
「ホワイトココ」は、果肉が白く香りが高い「ゆがふ」と、桃に似た香りの「ソフトタッチ(ピーチパイン)」を掛け合わせて誕生しました。「ホワイトココ」も親の特徴を受け継ぎ果肉は白色で、ココナッツに似た香りを持つ事から、この名前が名づけられました。糖度が16%と高く、酸味が少ない事から食べやすいという点も特徴の一つです。
2023年の時点では新品種でまだ生産者数も生産量もは少ないことから、価格もやや高めとなっています。
なお、ブランド名「ホワイトココⓇ」を使用する際は、収穫時期や出荷規格を定めた「ホワイトココⓇ出荷ガイドライン」を守らなければならないことになっています。 |
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