1.大富遊歩道概要
大富遊歩道(と言うよりも、「大富林道」と呼んだ方がなじみやすいという人の方が多いかもしれませんが・・・)は、かつて西表島縦断(横断)道路として開発着手された道でしたが、特別天然記念物「イリオモテヤマネコ」の発見を機に、工事は中断されました。
現在、その中断された道路の一部が遊歩道として利用されています。 今日でもこの遊歩道を経由した西表島縦断(横断)の登山ルートは、最もポピュラーなコースとなっており、特に春から夏にかけては多くの登山家や、大学のワンダーフォーゲル部・登山サークルなどの利用もあり、よく整備されています。(遊歩道の途中に水源地があるということも、道路がよく整備されている理由の一つではありますが・・・)
この遊歩道は、「西表島らしさ」を体感するのに最適で、数々の樹木や花が鑑賞でき、カンムリワシをはじめ多くの野鳥の声を聞きながら散策できます。また、遊歩道沿いの植物には、所々にその名前などの説明看板も設置されていますので、これを見ながら散策するのも良いでしょう。
なお、大富遊歩道については、通常、大富集落西の遊歩道の起点(未舗装道路)から第2ゲートと呼ばれる浄水場まで車の乗り入れは可能です。しかしながら、レンタカーは遊歩道起点の未舗装道路から進入禁止となっています。
2.大富遊歩道周辺地図
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3.遊歩道入口からの概略距離表
場 所 |
遊歩道入口からの距離(m) |
遊歩道入口 |
- |
第一ゲート |
600 |
亜熱帯樹木展示林 |
1,200
(1,100~1,200) |
第二ゲート |
1,350 |
仲間川展望台 |
3,400 |
仲間川中流船着場への接続路 |
3,450 |
ウブンドルのヤエヤマヤシ展望所 |
3,600 |
第三ゲート |
3,700 |
※ 概略距離数であることをご承知おきください。 |
※ 茶色に着色した道路が大富遊歩道です。 |
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4.主な見どころ
1. |
亜熱帯樹木展示林 |
第二ゲート手前の遊歩道から下は、亜熱帯樹木展示林として貴重な西表島の植物を観察することのできる「自然観察路」が整備されています。珍しい野鳥に出会うこともあります。 |
2. |
仲間川展望台 |
仲間川展望台からは、眼下に日本最大規模の面積を持つ仲間川流域のマングローブ林を一望することができます。緑の絨毯の中に大きく蛇行する仲間川が流れ、南方向の遠くには仲間川の河口や海も見えます。 |
3. |
ウブンドルのヤエヤマヤシ群落 |
ヤエヤマヤシは、八重山諸島だけに分布する一属一種のヤシで、植物相が熱帯的特徴をもっていることを示す植物の一つです。自生地は八重山諸島の中でも石垣島の米原と、西表島のウブンドルと星立の3ケ所に限られています。ウブンドルのヤエヤマヤシ群落は、石垣島の米原のヤエヤマヤシ群落についで100本以上のまとまった個体が見られる貴重な場所となっています。 |
5.遊歩道散策時の注意事項
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夏場は相当気温が上昇します。熱中症防止のためにも、必ず水分補給のための飲料水(いくらか多めの水)を持参しましょう。
また、夏場は日焼け対策も十分行なうようにしましょう。サングラスも忘れないように!
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途中でハブに出くわすこともありますので(特に春と秋のシーズン)、足元に十分注意しながら歩きましょう。
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遊歩道の終点から縦断道路(山岳路)へと続きますが、入山の際には関係機関(森林事務所および警察)への届出と十分な準備を怠らないようにしましょう。 |
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