なごみの塔(竹富島)  更新2021.04.10 

今回は地図の修正を行いました。

※ なごみの塔は、2016.9.17より塔の老朽化等のため昇り降りが禁止されています。

 集落全体が眺望でき、竹富島のシンボル的な存在となっている「なごみの塔」は、1953年(昭和28年)に住民が憩いの場として、玻座間集落(西集落)の赤山丘(高さ約6m)[*1]を公園化した際、その中央に4.5mの鉄筋コンクリート造の放送台を住民総出で築いたものだそうです。 放送台といっても、何かあれば頂上に人が上がり、メガホンで集落内の住民に怒鳴って連絡するのに使っていたようです。 現在では展望塔として多くの観光客が足を運ぶ観光スポットとなっています。

 頂上の展望台までは幅約45cm、奥行き約16cm、段差が約35cm、斜度約60度の8段の大変急な階段を上らなければなりませんが、それゆえに、一人ずつしか上り下りすることはできません。 手摺りもありますが、これに掴まって上るというようなものではありません。 また、展望台部分も大変狭く、大人2人分のスペースしかありません。 もちろん人がすれ違うことのできるような幅はありませんので、お互いに順番よく譲り合い上り下りするしかありません。(本当は、上るより下りる方がスリリングで大変かも。)

 しかし、ここからの眺めは素晴らしく、重要伝統的建造物群保存地区に選定された集落の赤瓦の家並みを一望する絶好の場所として観光名所となっています。 観光で訪れた際には一度は上ってみる価値はあります。 また竹富島の赤瓦の家並みを写した多くの観光ポスター・パンフレットは、いずれもこのなごみの塔から撮影されたものと言ってよいでしょう。
 このなごみの塔は、 2006年(平成18年)3月27日に国の登録有形文化財に登録されました。

[*1]赤山は、平家の落人で、竹富島に流れ着いた赤山王の居城跡であるとの言い伝えがあります。
 なお、 この公園内には、昔の星座観測に使われたという星見石や叩くと音のする太鼓石、石馬などもあります。

地図



 
1.なごみの塔
 
なごみの塔(南東側より) なごみの塔(南西側より)


人が上っている展望台下部の支柱には、ちょっと読みづらいですが、「なごみの塔」と記されています。 展望台の側面(東側より)
左は「国の登録有形文化財」のプレート
中央には「亀の甲台」と記されています。
右は「国の登録有形文化財」のプレート
赤山丘全景(南側より)

2.赤山丘、なごみの塔設置石碑等
 
赤山丘の設置の碑(登り口の左側にあります。)      同

[以下は碑文です。]
赤山丘の設置に至るまで
 文治二年(一一八五年)壇ノ浦の海戦にやぶれた平家の落武者赤山王は遠くこの地に漂着し地の利を占めるここを要害とした 一九五三年にこの由緒ある地を一和会が買収し部落へ寄贈したので西部落会では巨費を投じここに塔を建ててなごみの塔と名づけ部落の集会に或いはこどもの遊び場として年々施設が増設されつつ今日に至っている
               一九五八年十一月八日
                      竹富壮年会


一九五三癸己年六月二十五日竣工
一.寄附 本敷地百五拾坪一和会員
一.工事担当 西部落会
一.工事延人員 五百十人

3.なごみの塔からの景色
 
南側の眺め (写真中央に安里屋クマヤ生誕の民家が見えます。) 2011
西側の眺め (遠くに西表島が見えます。) 2011

4.赤山丘にあるその他の遺跡
 
昔の星座観測に使われたという星見石です。 同(星見石はなごみの塔下の南西側にあります。)
叩くと音のする太鼓石(なごみの塔下・南側にあります。) 石馬(なごみの塔下・東側にあります。)
 
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