マラリアは現在では一掃されていますが(1962年(昭和37)年に完全に撲滅)、八重山諸島の石垣島や西表島などでは、古くからマラリアが発生する地域がいくつかありました。(マラリアは大航海時代にオランダ船によって持ち込まれたという説があります。) 琉球王国時代から、八重山のこれらの地域に強制移住が行われるたびに全員が亡くなってしまう、ということが繰り返されてきました。そして、明治時代からは八重山の風土病としてもよく知られてもいました。
第二次世界大戦時にも、まだまだ発生する地域が多くあり、日本軍は1944年に八重山郡島各地でマラリアなどの病気の調査を終え、有病地帯がどこかについても把握していました。そして八重山におけるマラリアの戦前の罹患率は10%に満たないものだったそうです。
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