神山家住宅(黒島)  更新 2021.04.18

今回は地図の修正を行いました。

 黒島の神山家住宅は東筋集落内(南北に通る主道の東側)にある民家です。
 主屋は2005年11月10日付けで、国の有形文化財に登録されました。登録当時は、最も南で最も西の文化財建造物となっていました。
 神山家住宅は、明治42年(1909年)に建築され、沖縄固有の伝統的民家の特徴である赤瓦葺きの家屋が良く保存されています。
 柱材のほとんどは西表島から運び出された「いぬまき(キャーギ)」や「フクギ」などが使用されています。 築後100年以上が経過しても、創建当時の材料の種類・加工方法・工法などの様子が良好な状態で維持されている、貴重かつ歴史的価値の高い伝統的建造物です。

 2007年5月15日には付随する工作物(石垣、タンク、井戸)が追加登録されました。
 石垣は主屋と同じ明治42年(1909年)の建造で、門構えの石は小浜島のサンゴ石灰岩を使用していると伝えられています。
 なお、井戸は主屋と同時期の明治42年(1909年)の建造とされています。

地図



 
1.神山家住宅主屋
 
 神山家主屋は敷地のほぼ中央に位置し、南側に面して建てられています。桁行7間、梁間5間の規模で、寄棟造、赤瓦葺、木造平屋建です。内部の間取りの特徴としては、1番座を8畳間として仏壇を付属し、脇に小規模な床の間を構えています。2番座は奥行きが深くかつ2室に区切られた変則的な間取りとなっています。元は茅葺で、軒を低く造る古い形式をもっています。離島の古い民家形式を知る上で貴重なものとなっています。
   

2.神山家住宅井戸
 
 屋敷地西南隅、外周石垣の西南入隅部にあります。井戸は、主屋と同時期の明治42年(1909年)の建造で、直径0.9m、深さ4.2mの掘り抜き井戸です。地上部は石積基礎の上に凹板形のサンゴ石灰岩を3分割して切り出し、内転びの円筒状の井戸枠をつくっています。地下水が豊富でない沖縄の離島における水事情を物語る施設として貴重です。
 縦3.1m、横2.7mの洗い場があります。井戸は、昭和49年(1974年)に西表島から海底送水がなされるまでの間、日常生活に使用されていました。

3.神山家住宅水タンク
 
 石垣門部の西方に位置し、屋敷地前面道路に南面を見せて建っています。東西1.5m、南北2.4mの平面規模、高さ1.75mの鉄筋コンクリート造貯水槽で、主屋屋根からの雨水を竹樋で引き、陸屋根北方に濾過タンクを載せています。東面に「昭和十三年旧六月建設」と刻まれています。
 上部には、高さ約0.3m、縦0.6m、横0.75mのろ過タンクがあり、ろ過した雨水を水タンクに流し込む仕組みとなっています。

4.神山家住宅石垣
 

 屋敷地の南辺西方の一部を除き四周を囲んでいます。石垣は延長87.4m、珊瑚石灰岩の野面積で、高さ1.3〜1.4m、幅0.6〜0.8mの規模となっています。南辺中央の門部は間口3mで、両端を切石の木端建とし、西辺や出隅部は大きめの石を用いるなど景観に配慮したつくりとなっています。
 門構えの石は小浜島南岸のサンゴ石灰岩を採掘・加工したもので、小舟で運び込まれたと伝えられています。丹念に石積みがされ、良好に保存されています。

   
 
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