西表島・古見のスラ所跡・ノジュール群等 作成 2018.06.16
ここでは西表島・古見の浜にあるスラ所(造船所)跡およびノジュール群等について紹介します。
古見は、西表島東部で最も古くからある集落で、前良(まいら)川と後良(しいら)川の間にあります。かつては西表島東部と石垣島を結ぶ渡し船の船着場がありました。
また、琉球王朝時代には、西表島の材木で沖縄本島まで航海できるような木造船を造っていたようです。木造船の建造には材木だけでなく船釘が必要ですが、ここ古見では船釘を作るための製鉄まで行われていたようです。 |
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西表島は周辺の島々のような琉球石灰岩ではなく、大部分が新第三紀中新世(地質時代の一つ、新第三紀の第一の世で、約2,300万年前から約500万年前までの期間)の八重山層群の砂岩から構成されていて、ここ古見の浜でもこの八重山層群の細粒砂岩の中にできた酸化鉄のノジュール(団塊)を数多く見ることができます。 |
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昔の造船技術者たちはこれを原料にして製鉄し、さらには船釘を作っていたものと思われます。 |
地図
1.旧船着場
仲間港(現在の大原港)が開かれる前は、古見集落の北側、後良川河口右岸が西表島東部と石垣島を結ぶ渡し船の船着場だったそうです。 後良川には沖合から河口まで繋がる水路があるので、船の出入りには便利だったようです。 |
県道から後良川合流部の先の旧船着場を眺めた様子です。 |
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同拡大。旧船着場は写真中央右手側です。 |
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2.スラ所跡とノジュール群
古見の浜のスラ所跡周辺では、八重山層群の細粒砂岩の中にできた酸化鉄のノジュールを数多く見ることができます。また船釘を作っていたと思われる痕跡も残っています。 |
古見集落下の泉の横の道から浜に下りたところ(北側)です。 |
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沖合に向かって転石帯が見られます。 |
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干潟には生育中のマングローブ(マヤプシキ)が見られますが、なかなか大きくなりません。 |
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北側のスラ所跡方向の眺めです。 |
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更に進み、崎の先端部分のこの辺りがスラ所跡と思われます。右手側は後良川です。 |
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スラ所跡の周辺の露頭には酸化鉄のノジュールが数多く見られます。 |
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色々な形のノジュールがあります。 |
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この様な面白い形の岩もあります。 |
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このノジュールは鉄そのものの様に思われます。 |
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同拡大。 |
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少し移動するとこの様な光景も見られます。 |
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錆びた鉄のような褐鉄鉱です。 |
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面白い縞模様もあちこちで見られます。 |
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ここは地表に描かれた樹木の様な光景です。砂岩の節理(割れ目)がよく分かります。 |
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ノジュール跡と思われる円形の岩です。 |
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スラ所跡の背後は高さ10m程度の八重山層群の崖です。 |
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崎の先端から見た古見集落側の光景です。 |
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崖にも数多くのノジュールを見ることができます。 |
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穴が空いているのはノジュールが抜け落ちたのかも? |
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崖下の様子です。 |
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沖合方向を眺めた様子です。 |
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岸辺を取り囲むように石が転がっています。 |
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石の列はスラ所の遺構かと思われます。 |
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後良川の上流側を眺めた景色です。 |
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数多くのノジュールがあります。 |
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こんな変な形の岩もあります。 |
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ホットポールとその周囲を利用した砥石のようで、周囲の筋は船釘を研いだ跡と思われます。 |
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周囲が小さな溝で縁どられたような岩。 |
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ノジュールが横から切断されたような岩。 |
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小さな泡の集まったような岩肌。 |
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周囲が浸食されて残ったような岩。 |
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八重山層群の砂岩の節理(割れ目)に沿って茶色の酸化鉄の縞模様ができています。コントラストが綺麗です。 |
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木の葉の様な、蝶の蛹の様な石。 |
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鈴の様な形をした石。 |
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【おまけ】 |
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ここの干潟には「ミナミコメツキガニ」が沢山生息していました。物音がするとアッという間に砂に潜ります。 |
別名は、「兵隊ガニ」。 |
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