八重山の火番盛  更新 2015.03.14

 火番盛(ひばんむい)は、先島諸島(宮古諸島及び八重山諸島)の13の島(2市2町1村)の18箇所に点在する遠見番所群です。 地理的に中国に最も近い位置にある先島諸島では、1609年の薩摩藩の琉球侵攻後、江戸幕府と明国の二重属国となった琉球王府が薩摩藩の要請によって、1644年頃に18箇所に火番盛を設置しました。 この火番盛は、主に中国への進貢船や異国船の到来など、海上交通の監視・通報機能として各地に配置されたものですが、このうち八重山3市町では石垣市2カ所、竹富町7カ所、与那国町1カ所の計10カ所に設置されました。

 元々、火番盛とは火を焚く丘というような意味をもつものですが、ここで烽火(のろし)のための火を燃やして監視にあたったことから、先島諸島では火番盛と呼ばれています。 火番盛では、周辺海域の監視のみならず、中国への進貢船の航海状況や異国船の到来(ヨーロッパ列強の海外進出)を監視し、烽火を上げて各地の火番盛伝いに番所や蔵元に通報し、琉球王府へ知らせました。 なお、合図となる火や煙の数は、船の国籍によって本数が決められていたそうです。
 このように火番盛は、日本の南西端に位置する先島諸島の歴史的な位置付けを今日に伝える史跡で、また明・清の交代による国際的緊張下の対外関係と鎖国体制の完成を示す遺跡として重要で、2007年(平成19年)3月23日に国の史跡に指定されました。

 八重山で史跡に指定されているのは、以下の1~10の10カ所です。

八重山の火番盛の地図
八重山の火番盛の一覧
No. 島名 火番盛名
1 石垣島 平久保遠見台
2 石垣島 川平火番盛
3 竹富島 クスクムイ(小城盛)
4 黒島 プズマリ
5 新城・上地島 タカニク
6 新城・下地島 中森(波照間ムリ)
7 波照間島 コート盛
8 鳩間島 中森遠見台
9 小浜島 大岳
10 与那国島 ダティグチディ
付録 石垣島 ビッチムリ

八重山の火番盛

(1)平久保遠見台 【石垣島】
石垣島の最北端の平久保崎に建つ、平久保崎灯台の丘の駐車場を挟んだ反対側(東側)にある丘が、平久保遠見台です。
ここから多良間島の火番盛(八重山遠見)に狼煙で通報していたようです。

(2)川平火番盛 【石垣島】
川平の集落の北西側にあります。
小さな丘の上にあるものの、周辺の丘と見分けるのが困難な状況にあります。

(3)クスクムイ(小城盛) 【竹富島】
クスクムイ(小城盛)は、世持御嶽の裏側(北側)にある火番盛跡です。
異状のあった場合には、石垣島の蔵元に通報するために狼煙を上げました。

クスクムイ(小城盛)からの眺め

(4)プズマリ 【黒島】
プズマリは、黒島ビジターセンターから宮里海岸に向かう道の途中にあり琉球石灰岩を積み上げて作られた見張り台跡です。17世紀ごろに、地元船や異国船などの出入りを監視していた場所で、石垣島の蔵元に狼煙をあげて通報するのに使用されました。
黒島口説に歌われる「メーヌタカムイ・・・」はこのプズマリのことです。
プズマリの上に登ると宮里海岸を一望できますが、足場がとても悪いので注意して登ってください。なお、降りる際には一層の慎重さが求められます。

(5)タカニク 【新城島(上地島)】
上地島の集落から少し北にいったところにあるにある遠見台です。
登ると、八重山の島々や、新城のきれいなシアンの海を見渡すことができます。

(6)中森(波照間ムリ) 【新城島(下地島)】
下地島には訪問していないため詳細不明です。
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(7)コート盛 【波照間島】
波照間港から集落中心部に行く祖平花道の途中左側にある、珊瑚石を積み上げた見張り台(遠見台)がコート盛です。コート盛は高さ3.9m、直径9.9mほどの2層の渦巻き状になっています。
コート盛の上には方位の十二支を刻んだアザミサンゴがあり、明治以後に測量が開始されたときには測量の基準点となっています。
伝承では、波照間島に生まれた「祖平宇根」という船頭がいて、暴風によって漂着した中国大陸より風水図を波照間島に持ち帰り、その風水図によって港から集落までの道を開き、そしてその道の側にコート盛を築いたと伝えられています。

(8)中森遠見台 【鳩間島】
中森遠見台は、鳩間島の中央部に位置する鳩間灯台のすぐ横(北側)に、復元されたものです。すぐそばには鳩間島灯台があります。

(9)大岳 【小浜島】
海抜99mの小浜島で最高峰の小山です。天気がよければ頂上にある展望台から、北東に無人島である嘉弥真島、東に石垣島・竹富島、南に黒島、南西に新城島・波照間島、西に西表島、北西に鳩間島と、周辺の島々を全て見渡すことができる絶景スポットでもあります。

(10)ダティグチディ 【与那国島】
「ダティク」は地名、「チディ」は頂上という意味だそうで、漢字では「屋手久頂上(ダティグチディ)」と書くそうです。島の東崎の近くの、東牧場内にあります。
この場所は神聖な場所(拝所)で、毎年旧暦8月にはダティグクイ祭が行なわれ航海安全が祈願されています。

付録 ビッチムリ 【石垣島】
白保のユナムリの畑の中にあるのがビッチムリです。琉球石灰岩を渦巻き状に積み上げています。高さは約4mあります。1644(尚賢王4)年、琉球に烽火(ほうか)の制度が施行され、カラ岳からの烽火を中継、ならびに白保の周辺海域を監視するために築かれた遠見台だったと考えられています。現時点では国の史跡には指定されていません。今では、地元の人にもあまり知られないようになっています。(実は、この場所を探すのに相当苦労しました。)
 

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