波照間へのフェリーの旅  作成 2011.10.08  

 (注) 2012年6月以降、(資)波照間海運による運航は全て停止されました。
    その後、安栄観光が波照間海運の使用していたフェリーを購入し、波照間航路を運航しています。

 高速船では何度も行っている波照間島に、以前から一度、高速船ではなくフェリーでのんびりと行きたいと思っていたのですが、2011年の夏、ようやくそれを実現することができました。ここではその様子を紹介します。

 現在、石垣・波照間島間に就航しているフェリーは、(資)波照間海運の「フェリーはてるま」で、1990年に造られた総トン数194トン、全長47.6m、型幅9.3m、ディーゼルエンジン2基・1800馬力の機関出力を有する航海速力14ノットの船です。 乗用車3台、トラック2台を載せることができ、旅客等定員は30名です。 自転車・バイク等の航送料については(資)波照間海運のページを参照してください。
 なお、波照間島までの所要時間は、高速船の約2倍以上の2時間20分かかります。 毎日出航している訳ではなく基本は週3回の運行ですが、最近では繁忙期において運航回数が増やされているようです。

 「フェリーはてるま」のチケット売場と乗船場は、旧離島桟橋からサザンゲートブリッジ寄りの南側に約10分ほど歩いた所(現在の離島ターミナルの斜め向かい側の対岸)の、波照間・与那国行きフェリー乗場となります。 チケット売場までは、現在の離島ターミナルからですと徒歩で15分以上かかりますし、事前の乗船手続きも高速船よりも手間取りますので、余裕を持って行きましょう。

 乗船した7月7日の乗客は私を含めて2名でした。 (当然のことながら、フェリーですので通常乗船される多くの方は車やバイクを移動させるために乗船しておられるわけで、私のような物好きを除けば、貴重な時間を有効活用し短時間で観光地巡りをしなければならない一般の観光客がフェリーに乗船することは、まずないでしょう。)
 乗船当日の天気については、往路の石垣出航から波照間入港の午前中は晴天で、揺れもほとんどなく快適な船旅を楽しむことができました。 しかしながら午後からは急に天気が崩れ、復路の波照間出航時にはやや強めの雨が降る状況でした。 その後少しずつ晴れ間も見られるようになりましたが、終始強い風が吹き続け、特に沖合では高波の中を航行することとなりました。 「行きはよいよい帰りは怖い」ではありませんが、復路でのフェリーはそれなりのローリング・ピッチングを繰り返したため、結果として軽い船酔いをしてしまいました。(実に、久しぶりの船酔いでした…。)

 さて、「フェリーに乗船した感想は」と聞かれると、「もう一度乗ろうという気持ちはありません」というのが正直な気持ちです。 八重山の島々をのんびり眺められればという当初の思いは往路(片道)だけで十分に実現でき、午後の復路は悪天候で船酔いしたこともあり余計でしたね。 文明の利器とでも言うべき高速船にすっかり慣れきっている自分を再認識するとともに、改めて高速船の便利さに感謝する思いが深まりました。 なお、島民の生活を支えるためにフェリー航路を守り続けておられる船員の皆さん方のご苦労も垣間見ることができ、その意味ではとても良い経験になりました。

 ついては、今後の私の波照間島への渡航手段は、安栄観光もしくは波照間海運の高速船利用となります。 と、いうことで私にとって最初で最後の「フェリーによる波照間島への旅」となりました。

【往路】

右側(東側)の建物が波照間海運のチケット売場になります。 フェリー乗場前には広い駐車場があります。右の建物は「ホテルチューリップ」、左の建物は「ハイパーホテル石垣島」です。

フェリーはてるま」の全景です。白と青のコントラスの美しい船です。 航路を示すプレートが船の中央部に取りつけられています。

旅客船室の様子です。リクライニングシートになっています。前方が操舵室です。 出航直後です。後方にサザンゲートブリッジを眺め、出航していきます。


暫くの間、船は港湾内をゆっくりと進んでいきます。写真右端が離島桟橋です。 八重山観光フェリーの貨客船「平成丸」です。総トン数43t、旅客定員10名、速力10ノットの船です。

出航後10分が過ぎると、港湾外に出ます。 八重山観光フェリーの貨客船「かりゆし」です。総トン数99t、旅客定員13名、速力12ノットの船です。

出航後15分程度が過ぎると、右舷に竹富島を見ることができるようになります。 30分程度が過ぎると、右舷(遠方)に小浜島を見ることができるようになります。[写真中央]

出航後30分程度が過ぎた頃、正面に黒島が見えてきます。 同じ頃、右舷後方に見えるのは竹富島です。

左舷後方のデッキの様子です。 出航後40分程度が過ぎた頃、右舷に西表島が見えてきます。この後、石西礁湖から外れ(黒島手前の南東側)の外洋に出ました。外洋に出てから少し揺れてきましたが大したことはありません。

波照間島に近づき、波は島陰で随分と穏やかになってきました。写真では分かりませんが海の透明度がすごく高く海底の様子を知ることができるほどです。 2時間20分かけ、定刻通りに波照間港に入港します。正面の白い構築物が浮桟橋で、左端の建物が旅客ターミナルです。

左舷側の防波堤には『最南端の島 「波照間島」へようこそ』の文字が書かれています。正面の赤色屋根の東屋は「ニシ浜」のものです。左側の白いコンクリート造りの建物は、「ペンション最南端」です。 右舷側の防波堤には『南十字星が輝く!ぺぇ〜ぬ島』と、『ようこそ最南端の波照間島へ』の文字が書かれています。
「ぺぇ〜ぬ島」とは「南の島」という意味です。

【復路】 (石垣港内)

ここからは復路で、石垣港入港時のものです。この日は、世界有数のクルーズ客船会社で香港(マレーシア資本)の「スタークルーズ・麗星郵輪」の「スーパースター・アクエリアス」が入港していました。1993年就航の総トン数50,760tの船ですが、さすがにバカデカイ船です。この船が入港すると市内のあちこちで中国人を見掛けることになります。 那覇・宮古・石垣・中国福建省廈門の間を結んでいる南西海運の貨物船「なんせい丸」です。2003年就航の総トン数749tのコンテナ輸送船です。

南西諸島向けの燃料輸送の重要な役割をしている、東亜運輸の第十八天竜丸というタンカー(747t)が入港していました。 海上から見た、離島ターミナルの浮桟橋です。計4つの浮桟橋があり、一番手前がNo.8乗場で最も右がNo.1乗場となっています。黄色の船は波照間航路の高速船「ばいぱてぃろーま」です。

福山海運が石垣島〜与那国島間を4時間30分かけ、週2往復運航している「フェリーよなくに」です。1988年就航の総トン数 498tの船です。 予定通り2時間20分をかけて戻ってきました。いよいよ接岸です。

後方でメッセンジャーロープが投げられ接岸準備が進みます。 運航料は、片道で2080円、往復で3960円です。因みに、これは復路の乗船券です。
 
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