地球温暖化の影響でサンゴの白化現象が起こっています。白化現象というのはサンゴが死ぬということです。
海水温が高くなると、サンゴに共生している褐虫藻がサンゴから逃げ出します。 異常高水温が一時的なものであれば、褐虫藻はまたサンゴに戻り白化は回復しますが、水温が極端に高かったり、高温が長く続くと白化したサンゴのポリプは栄養不足になり、やがて死滅に至ります。 そして、白化によって死亡したサンゴの骨格は数週間の後に褐色の藻類に覆われ、やがては瓦礫となります。
こうした現象は、気象条件により晴天が続き雨が降らなかったり、台風の接近が少なかったりして海水温が上昇しすぎたために発生します。 台風がやって来ることは非常に大きな意味があり、台風は海水を撹拌し海水温を下げる大きな役割を果たすと考えられています。 また、このような気象的な現象は温暖化やエルニーニョと関係があるのではないかとも議論されています。
また、開発によって流れ出す赤土もサンゴ礁を被って死滅させます。 サンゴを死滅させると海水中のCO2が増え、ますます海水温上昇が起こるようにもなります。
この他にもオニヒトデによるサンゴの食い荒らし(食害)も白化現象の原因となっています。 オニヒトデは海水温が上昇すると異常発生するとも言われていますが、オニヒトデも本来サンゴ礁に棲む生物の一種であり、数十年に1度くらいは大発生を繰り返しているとする説もあります。
その他、生活排水などによる海洋汚染、埋立て、強光、低塩分濃度、ヒメシロレイシガイダマシなどによる食害、天敵であるホラガイの大量採取などによっても白化が起こるとも言われていますが、原因は未だにはっきりしていません。
※ 左は2008年9月10日の朝日新聞から引用
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