2.砂糖の種類 (分蜜糖と含蜜糖)
砂糖は、大きく分蜜糖と含蜜糖の二つに分類されます。
分蜜糖はサトウキビの搾り汁から糖蜜を分離したもので、一般に使われている白砂糖やグラニュー糖です。世界で生産される砂糖のほとんどはこの分蜜糖です。
分蜜糖は、サトウキビを搾って煮詰め、結晶させて結晶だけを取り出したものを言います。結晶させたあとで、糖蜜(ブドウ糖や果糖が沢山含まれている)を分離するので分蜜糖と呼ばれています。砂糖の結晶は、本来、無色透明ですが、白く見えるのは光が乱反射することによります。
分蜜糖の製造の特徴としては、搾汁液が煮詰まってきたときに、小さな砂糖の粉(種子:シードと言います)を混ぜて核にすると、その周りに溶けている砂糖(ショ糖)が凝集して結晶が育ち、結晶が大きく育った後で遠心分離機を用いて非結晶部分を取り除きます。非結晶部分は糖蜜と呼ばれ、肥料、飼料、飲料酒、食酢、燃料エタノール、グルタミン酸ソーダ等の有用製品製造の重要な原料となります。
石垣島にある製糖工場(石垣島製糖株式会社)は分蜜糖の工場で、そこで生産された砂糖(原料糖)は、白砂糖の原料として、本土の精製糖工場に出荷されています。従って、石垣島では黒糖製造は行われていません。 一方、結晶砂糖と糖蜜を分けずにサトウキビの全成分をそのまま煮詰め、一緒に固めたのが含蜜糖でその代表が黒糖(黒砂糖)です。分蜜糖工場とよく似た工程で砂糖を煮詰め、あく抜きをしながら結晶化させ、糖蜜と共に冷やして固めます。結晶を育てるときに結晶の種子(シード)を入れないことと、糖蜜を分離せずにそのまま固めるのが分蜜糖と違うところです。
八重山では、小浜島、西表島、波照間島、与那国島にある各製糖工場で含蜜糖が作られています。これらの工場で製造される含蜜糖は、黒色をしていることから黒糖(黒砂糖)と呼ばれています。
蔗糖は、白砂糖で97.7%、グラニュー糖では100%で、黒糖では80%前後ほどで、両者の間に約20%程度の差がありますが、黒糖には蔗糖の他にブドウ糖、果糖、フラクトオリゴ糖等などが含まれています。エネルギーにはあまり差はありませんが、黒糖には他にも、カルシウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラル、さらに、ビタミンB群やナイアシンなどのビタミン類が含まれています。
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