八重山の泡盛   作成 2008.11.16 

八重山には、石垣島6、波照間島1、与那国島3 の計10箇所の酒造所があります。 (沖縄県下全域では48の酒造所があります。)
ここでは、泡盛に関するウンチクと、八重山にある全ての酒造所について紹介します。

1.泡盛について 泡盛とは 泡盛の名の由来 古酒とは 花酒とは
貯蔵方法 飲み方
2.各酒造所と代表銘柄等の紹介 石垣島 池原酒造所 請福酒造 高嶺酒造所
玉那覇酒造所 仲間酒造所 八重泉酒造
波照間島 波照間酒造所
与那国島 入波平酒造 国泉泡盛 崎元酒造所

 

1.泡盛について

項  目 内    容
泡盛とは 硬質のタイ米(インディカ米)を原料とし、沖縄独特の黒麹菌を製麹、発酵させ、単式蒸留をして造ったのが泡盛です。
この製法は基本的に500年も前からほとんど変わっていないと言われています。
泡盛の製法の特徴としては、焼酎が主に白麹菌を使うのに対して、黒麹菌を使っていることです。麹と水と酵母が合わさって発酵したものを「もろみ」といいますが、黒麹菌を使うと、もろみの段階で、殺菌力の強いクエン酸を多く生成します。このクエン酸によって、雑菌の繁殖を抑えることができ、1年中気温が高く湿気の多い沖縄で、良質な酒造りが可能になっているというわけです。
また原料の米をすべて米麹にして、全量を一度に仕込んで発酵させる全麹仕込みで造るのも大きな特徴です。二次仕込みをするともろみが薄まり、雑菌が繁殖してしまう率が高くなってしまうために、全麹仕込みで一気に仕込みを終えてしまうのですが、それによって米麹の風味の濃い酒ができあがります。
泡盛の
名の由来
寛文10年(1671年)に尚貞王から将軍家家継への献上品の目録に、初めて「泡盛酒」という名称が現れているそうです。これは薩摩藩が泡盛を他の焼酎類と区別するために使ったと云われていますが、その由来としては次の説が挙げられています。
1.「粟」説・・・現在の泡盛は全て米によって作られていますが、かっては粟でも作られていました。
  原料に粟を使用していた為、粟盛りといいそれが「泡盛」に変わったとする説です。
2.「泡」説・・・アルコール度数計が無い頃、酒を柄杓から容器に入れる時のその泡立ち具合を見て、度数を判断していたと云われています。この計り方の「アームイ」(泡盛る)が転じて「泡盛」となったとする説です。
古酒とは 泡盛の最大の特徴は、長い間保存することでその成分が熟成して、味がまろやかに香り高くなっていくことにあります。
そして、3年以上貯蔵したものが古酒(クース)と呼ばれます。長く寝かせ熟成させることで、芳醇で上品な香りとまろやかさが一段と増します。琉球王朝時代には貴族しか飲めない貴重な酒だったようです。
なお、長期間貯蔵するということは、酒造所にとってその間はキャッシュが入ってこないということを意味します。泡盛の酒造所は零細規模のものが大半であり、資金繰り等を考えると古酒造りはそれなりの資金力のある酒造所に限られるというのも実情です。
花酒とは

花酒とは、泡盛を蒸留する際に最初に出てくる部分、酒本来の香りや味の一番重厚な部分だけを集めたものです。アルコール度数は60度と高く、国内では唯一、与那国島の酒造所のみに製造許可されている酒です。(ラベルには、原料用アルコール・火気厳禁と記載されています。)
花酒の名前の由来は、蒸留のはなさき(一番最初)に出てくる酒[焼酎でいうハナタレ]であるからという説と、アルコール分が高いためグラスに注ぐと細かい泡が花のように立つ説とがあります。
沖縄本島から遠く離れた最西端の島でありながら、与那国の花酒は、琉球王国の銘柄・泡盛の伝統を伝える貴重な蒸留酒で、その昔は王侯貴族や賓客しか飲めない最高級品でした。
花酒は、そのアルコールの高さにもかかわらず意外にも飲みやすく、優しく強い旨さには定評があります。

貯蔵方法 代表的な貯蔵方法としては甕貯蔵と瓶貯蔵があります。長期貯蔵すればするほど良質の泡盛になると言われています。
甕貯蔵の場合、甕の壁面からは揮発成分の蒸散による香気成分の濃縮が行われ、アルコール分が瓶貯蔵に比べ低くなりますが、落ち着いた香りが高まります。また甕の陶土の無機成分の溶出による着色や味の変化も加わり、甕貯蔵の泡盛の香味は瓶貯蔵よりも濃醇で、幅のあるものとなります。
一方、瓶貯蔵の泡盛は軽快な香りがあり、味は淡麗でかつアルコールに丸みが出てきます。泡盛が世界的に知られるのは、他の蒸留酒(ウィスキー、ブランデー等)と異なり、瓶に詰めたままでも熟成が続くということです。
なお、酒造所によっては泡盛をウイスキーのように木の樽で貯蔵し、木の香りを移した古酒を造っているところもあります。
飲み方 アルコール度数や、一般酒と古酒の違いにあわせ、ストレートや水割りなど、色々な飲み方が楽しめます。
長い間熟成させた古酒ならば、小さなお猪口やグラスに注ぎ、ストレートで少しずつなめるように飲み、濃厚かつ芳醇な風味を味わうのが良いでしょう。
年数の若い古酒ならオン・ザ・ロックや水割りで、泡盛の持つコクや旨味を堪能するのも良いでしょう。
一般酒であれば、シークヮーサーを搾ったり、さんぴん茶・うっちん茶(なぜか島のおじさん達の中にはこれが二日酔いに効くと言う人がいます)・牛乳で割ったり、薄めの水割りで喉ごしの爽やかさを楽しむのも良いでしょう。
冬の寒い季節にはお湯割り(一般的には泡盛6:お湯:4の割合)もお勧めです。泡盛そのものを温めるのではなく、お湯をグラスに適量入れ、そこに泡盛を静かに注ぎこむのがポイントです。泡盛の香りが湯気とともに立ち上って、じんわりと温まります。
泡盛の新しい飲み方として、パーシャルショットがあります。アルコール度数の高い泡盛(花酒)を、ボトルのまま冷凍庫に入れて冷やして、これをよく冷やしたグラスに注ぎチビチビと味わいます。(チェイサーを忘れないように!) 冷たくてとろりとした濃厚な口当たりと、カットくる喉ごしは結構ヤミツキになるかもしれません。

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2.各酒造所と代表銘柄等の紹介

酒造所名 住所TEL/工場見学 代表銘柄 ラベル コメント
池原酒造所
石垣市字大川175
0980-82-2230

「宮良殿内」の東側の道路をほんの僅か登ったところ。

工場見学:不可

  白百合
  赤馬

【白百合】
石垣島では、春先になると白百合の花が野原一面に美しく咲き乱れ、道行く人の目を楽しませる。
「白百合」はその花のように清らかな酒でありたいとの思いを込めて命名されている。
創業当時のまま、洗米から蒸留に至るまで全工程を夫婦二人で手作業で行っている。その丁寧な酒造りから生み出される泡盛は、まろやかな味わいと個性的な香りを持つ。
米麹と水を原料に一度で仕込み発酵させ、地釡で蒸留し、添加物を一切加えず天然醸造法で仕上げ、伝統的な甕貯蔵で熟成している。沖縄古来の泡盛製法を頑固に守り通し、昔ながらの技で伝統の味を大切に伝えている。注文の大半は近隣の家庭からの直接注文で、地域に密着した酒である。

※非常に個性の強い泡盛であるため初心者には勧められない酒であるが、個人的には大変好きな酒のひとつでもある。
請福酒造

泡盛博物館
漢那蒸留所
石垣市新川148-3
0980-82-3166

4号線をずっと西に行き2号線とクロスする手前のところ。

工場見学:可
泡盛博物館
09:30〜17:30
休館日:年末年始

  請福
  直火請福
  海の道
  結

【請福】
主力の「請福」は「福を請う」として、昔から豊年祭りには請福と記した旗頭の下、新川村の男衆達が技と力を競い豊年祈願とともに祭りを楽しむところから村の幸を請い願い命名されている。
1949年創業であるが、八重山でトップクラスのシェアを誇る。 近代的設備と高い技術力、伝統的製法に加え、より飲みやすい味をつくるため、減圧式蒸留法や、米を蒸さずに焙煎してアルファ化したり、低温泡盛など、研究に余念がない。
新しいものにチャレンジし、いいものだけを取り入れ、ニーズに合った美味しい泡盛づくりを追求している。
酒は於茂登岳から湧く清水で仕込まれ、泡盛になじみの少ない若者たちにも飲みやすい酒を目標にしている。そのせいもあってか「請福」は甘みを感じ、のどごしが良い酒である。
また、泡盛博物館は製造の歴史を学ぶことができ、観光客にも好評である。
高嶺酒造所
石垣市川平930-2
0980-88-2201

川平公園の手前で、琉球真珠本店に下る交差点の左手側。
国指定の名勝である川平湾・於茂登連山を一望できる地にある。


工場見学:可
09:00〜18:00
休館日:年末年始

  於茂登
  かびら
  蘭陵の美酒

【於茂登】
水は手造り泡盛の風味の源であり、銘柄「於茂登」としている。
1949年の創業以来、全工程手造りという数少ない酒造所。
現在では循環式蒸留機という機械の蒸留法が主流の中、大正時代には主流であった直火式地釜での蒸留法を守る数少ない泡盛酒造所。
酒造用水は、沖縄県内最高峰「於茂登」連山の天然水を使用し、天水が連山に降り注ぎ、清水となって風光明媚な川平湾に流れ入る「フーカーラ」(大きい川という意味の方言)より導水して使用している。柔らかな喉ごしと甘い香りが特徴。
手造りの工程を見ることができる見学ギャラリーを併設したことでシーズン中は、連日観光客で賑わっている。
玉那覇酒造所
石垣市字石垣47
0980-82-3165

ホテルアビアンパナの裏側(北側)の道を西へすぐのところ。

工場見学:不可
(可能な場合もある)

  玉の露

【玉の露】
玉那覇家の「玉」と「最高のものを表す言葉」=「玉」、朝露のようなすがすがしさ、爽やかな飲み心地になるようにと願いが込められている。
明治末期から続く八重山最古の酒造所である玉那覇酒造所は、東(あがり)の玉那覇、西(いり)の玉那覇といわれたように那覇にも分家があった。戦争で全滅後、分家の玉那覇が八重山最古の暖簾を守って操業を再開。
現在もなお、夫婦2人で全ての工程を手造りで行い、昔ながらの手法に拘った「玉の露」はライト志向のトレンドの中では貴重な昔の味わいを伝える少量生産の泡盛。個性的な麹香が特徴でストレートでもカクテルでもうまい。
80有余年3代にわたり、頑なに「手造り泡盛」に拘り、地釜を用いた「直釜式蒸留」により、今もその伝統ある暖簾と味が守られている。
仲間酒造所
石垣市宮良956
0980-86-7047

白保海岸に程近い、宮良湾を見下ろす場所で、請福酒造・宮良工場の丁度裏側(北側)の道路沿いにある。門柱に泡盛の壜がなければ気付くことはできない。


工場見学:不可
  宮之鶴

【宮之鶴】
宮の字は字名「宮良」の宮、鶴は千年と言われているように、宮良で造る酒として鶴のように永年成長発展していきたいという願いが込められている。
昔から祭りの席で振舞われ、宴を盛り上げてきた3羽の鶴が戯れる、創業当時と変わらぬ素朴なラベルで知られる「宮の鶴」。
全てが旧式の製法で道具も創業当時のものが使用されている。唯一の銘柄である「宮の鶴」のその独特の味わいは敷地内の井戸から汲み上げられる仕込み水からくるものと言われている。また、出来のいいい原酒が出来た時だけストックされる「古酒 宮の鶴」はほとんど市場に出回らない幻の逸品となっている。
赤瓦屋根の酒造所で、家族4人により注文分だけ(年間4万リットル)造られていて、そのほとんどは島内で消費されている。なお、「宮の鶴」は最近なかなか入手しづらくなっている。
八重泉酒造
石垣市字石垣1834
0980-83-8000

市街地から県道79号線を右折して「県立石垣少年自然の家」の入口を少し過ぎたところ。


工場見学:可
 月〜土・祝
 9:00〜16:00
定休日:日曜日
  八重泉
  黒真珠
  キララ

【八重泉】
八重山の泉、「ナンガーラ」の水で造る泡盛の意味
八重山で最大規模を誇る八重泉は、かつて石垣市の中心部にあったが、「よいお酒はよい環境から生まれる」という信念で、市街地から離れた自然環境に恵まれた地へ移転。
水神様の霊地として名高い於茂登岳中腹から湧き出るナンガーラの水で仕込み、加えて、従来の職人の勘と経験だけに頼っていた泡盛づくりにコンピュータを導入、品質管理を厳しくし、美味追求にも余念がない。
また最後の1年ぐらいを樫樽で寝かせた8年古酒(通称グリーンボトル)は上質のスコッチウィスキーのようにまろやかで、伝統的な製法で作られる5年古酒「黒真珠」は芳醇な香りとコクがある。
波照間酒造所
竹富町波照間156

波照間郵便局前の道を西側にほんの少し行ったところ。注意しないとそのまま通り過ぎてしまうかも?。

工場見学:不可

  泡波

【泡波】
創業のころ、原料に粟を使っていたためとも、海の波しぶきに見られる泡をイメージしたともいわれる。
日本最南端の島、「波照間島」にあるただ一つの酒造所。現在は二代目の波照間忠夫氏夫妻が二人きりで地道に泡盛造りを続けている。島外に出ることの少ない「泡波」は幻の酒とも言われている。
日本最南端の島で作られる酒は、微妙に塩分を含んだ地下水を仕込み水に使用し、口当たりよくまろやかな風味がある。
なかなか入手困難で、島の売店で手に入れば超ラッキーである。と言っても民宿に泊まれば、結構飲むことはできる。
元来、島民が飲むために島で造られている酒である。しかも、伝統の製法を守りながら波照間氏独自の工夫を加えつつ手造りで生産できる量には限りがあり、島内で消費するのがやっとというのが現状だが、味が評判を呼び、皮肉にも島民でさえ入手し難い酒になってしまった。酒類物産展などに時折出品するほかは、地元でのみ販売している。
入波平酒造
与那国町与那国4147-1
0980-87-2431
098-867-7241

空港から久部良集落に向かう道路の左側(車で2-3分程度のところ)


工場見学:可
要予約
  舞富名

【舞富名】
孝行者(おりこうさん)のことを「まいふなー」という。
この酒が飲む人に喜びや嬉しさを与える酒になるようにという願いがこめられている。
琉球王朝時代、王様は、先島諸島(宮古郡、八重山郡)の村々で一番の親孝行者、働き者を首里のお城に招き、その者を讃え報償を与えた。村に帰ったその者達を村人は「まいふな」と呼んで賞賛し見習った。
先島地方では、おりこうさん、親孝行、働き者などという意味で現在も使われている。
当時の花酒の再現を試み、それに劣らない花酒をつくり上げることに成功してできたのが「舞富名」である。
国泉泡盛
八重山郡与那国町142
0980-87-2315

祖内集落のふくやまスーパー・中央公民館横の道を北側に少し登ったところ。


工場見学:可
要予約
  どなん
  クバ巻 花酒 60度

【どなん】
与那国のことを方言で「どなん(渡難)」とよぶことから、どなんの酒ということで名づけた。
日本最西端の与那国は方言で「渡難」と呼ばれる。これは激しい海流や不安定な天候のために渡りにくいところからつけられた。
花酒「どなん」は、「魂の酒」とも呼ばれ、おおらかな自然の中で泡盛をつくる国泉泡盛の代表的な味である。
昔ながらの手作りで行っており、蒸留も地釜で行っている。
崎元酒造所
与那国町与那国362-1
0980-87-2417

祖内集落から比川集落方面に向かい、ティンダハナタを通過して少し行ったところ。山越えをして開けた所で、道のそばにサバニが置いてあるのが目印。


工場見学:可
要予約
  与那国
  花酒与那国
  花織酒(ハナウイシュ)
   
【与那国】
与那国の酒だから。
与那国で一番最初に泡盛を作った酒造所であることから名付けられた。
昭和2年に島の住民が出資し、共同の酒造所を設立した。酒造りはあくまでも副業的であり、昭和40年代に入ると出資者は、わずか4人となり、このままでは酒造所の崩壊と共に、島に残された花酒文化までも失われるという思いから、崎元初さんが名乗りを上げ昭和58年に崎元酒造所として独立した。
麹を寝かす作業に一昼夜眠らずの温度管理を行い、手作りの難しさを学び、今日でも現役で酒造りを行っている。
 

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