ウミショウブの開花 作成 2016.10.22

 
1.ウミショウブの概要
 
「ウミショウブ(別名:悲恋花)」はトチカガミ科ウミショウブ属に分類される海草(雌雄異株)で、インド洋から西太平洋の熱帯から亜熱帯域に分布しています。国内では西表島および石垣島のごく限られた海域の浅い海で群落が見られ、しかもこれらは分布の北限を成しています。
海中で生えている姿がショウブを思わせることからその名が付けられたようです。
環境省のレッドリストでは絶滅危惧種Ⅱ類(VU)に指定されています。
  

2.ウミショウブの開花について
 
ウミショウブは受粉方法が大変特異な海草で、夏の晴天の日の昼間の大潮の干潮時に、雄花が水中から放出され、海面に浮かんだ白い小粒の雄花は約3mmほどの雪だるまのような姿となり、風に乗り海面を流れるように移動し、雌しべにたどり着きます。
晴天の日に限られるのは、雄花が水中から海面に浮かぶ為には光合成で酸素の泡を作り浮力を得る必要があり、そのためには晴れている必要があるわけです。浮かび上がった雄花の表面は撥水性のため、わずかな風でも水面を移動することができます。雄花は、多い時には、海面が白く埋め尽くされるほどになります。
そして、雄花の生出に合わせて雌花も水中から海面に現れ、花びらを広げて雄花を取り込み、潮が満ちてくると雌花は雄花を閉じ込みながら沈んでいき(海面が上昇していき)、受粉を完了します。

 
雄花です。(ウサギのような、雪だるまのような形をしています。)上側に花粉が付いています。   雌花です。(3枚の花弁=雌しべが雄花をキャッチします) 花弁の先は雄花を捉えやすいようにギザギザとなっています。
 
 

3.ウミショウブの生息地
   (この他、西表島の崎山湾にも生息地がありますが、シュノーケリングツアーやチャーター船を利用しなければ行けません。)
  
 
 
 

4.ウミショウブの生息地の写真
 
4-1 石垣島 野底海岸
   
(多良間海岸とも呼ばれます。)
 
 
野底小学校の西側の浜です。    
 
     
4-2 西表島 祖納港
    
(干立集落の前の浜の西側)
西表小・中学校の北側の浜です。向かいが干立集落。
 
     
4-3 西表島 美田良(ミタラ)浜   祖納集落と西表島トンネルを結ぶ道路沖の浜です。
 
 

5.ウミショウブの開花状況写真
     
西表島・美田良浜のウミショウブ群落 岸からすぐ近くに群落はあります。
 
少しずつ雄花が水中から浮かび上がってきます。   雄花は風で水面を流れていきます。
 
徐々に雄花が増えていきます。  
 
雄花が集まる場所もできます。    
雄花を拡大   水面に浮かぶ雄花
 
最干潮時の岸辺に近い所のハナショウブ 浜に打ち上げられた雄花
 
 
【参考】 
 ウミショウブの花の観察は、昼の最干潮時の1時間前(水中から雄花の浮上を見るには約2時間前)からをお勧めします。
 西表島の生息地では東海大学がこの花の研究を行っています。
 

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