舞台の芸能 2015 (2日目)その3  作成 2015.12.19
2015年11月11日に開催された竹富島の種子取祭の「舞台の芸能」の様子を紹介します。
2日目は仲筋村の演芸となりますが、一度に全ての演目を紹介することができませんので、いくつかに分けて紹介します。

ここは、その3です。

19.揚古見ぬ浦節

「揚古見ぬ浦(アギクンヌウラ)節」は、西表島・古見村の歌です。
「揚古見ぬ浦節」は八重山古典民謡の中でも、一揚調の曲では代表的なものです。

 

20.長刀の舞い

長刀の舞

 
 

21.する掬い たこ捕り (スルックイ)

スルというのは、キビナゴのことで、網を持っているのが竹富島の女2人で、天秤を持っているのが石垣島から来た男。
種子取祭を迎えるに当たって、コンドイ浜にスルを採りに行った際の、それぞれの方言でのやりとりをコミカルに描いたものです。
島の性風俗を描いた部分もあるそうですが、それを自然で明るく表現しているのだそうです。

 
 
ここからはタコ捕り
 

22.夏花

白保村に古くから伝わる民謡に舞踊振り付けをしたものです。木綿花(むみんばな)を摘んで糸をつむぎ、これを織り上げ、サコダ浜で晒(さら)し、御用布として王府に献上されるまでの工程を舞踊化したものだそうです。

 

23.かたみ節

かたみ節は、結婚式などのお祝いの席や、座開きで歌われることが多い祝儀歌です。
「琉球の馬艦船(マーランブニ)が風波の都合で久志間港に停泊しました。この際、何時しか久志間村の女と船乗りの男とは水も漏らさない慕しき仲となり、二世三世迄もと二人は深く契りました。」
この様子を首里から派遣されていた役人の黒島英任が「かたみ節」にしたそうです。黒島英任は、1732年に平久保村に赴任してきたそうですので、凡そ今から280年ほど昔の歌となります。
なお、久志間港というのは、石垣島の北部の平久保村と伊原間村との間にかつてあった村で、現在は廃村となっています。(現在はそのあたりを久宇良浜と言います。)

 

24.久高節

「久高節」は、久高からやって来た船乗りの話を唄っているものです。
久高にやって来た女好きの役人をおもしろおかしく揶揄(やゆ)した歌がこの久高節です。権力者を皮肉る遊び心が表現された踊りのようです。
 
エーク(櫂)の角度や動きをぴったり合わせるのが難しそうな踊りです。
 
 
 

25.サングルロ

ソングルロは、とても奇妙な姿で、黒頭巾をかぶり、長い糸で顔を隠した女性達の踊りです。ドラの音に合わせて飛び上がったり、突然止まって動かなくなったり、奇妙な動きをする特徴のある踊りです。また、最後(退場時)は、一人ひとり転がりながら舞台裏へと退場します。
踊りの由来については、人頭税時代に、年貢を逃れようと、子供が大人になっても分からないようにするためにこのような姿に扮したものの、それに対して士族らは、下着のない時代だったのでサングルロを踊らせ、転がるのを見て大人か否か見極めたのではないかということだそうです。

 
 
 
一人ひとり転がって退場します。

26.鬼捕り 鬼(ウン)狂言

「仲筋地区の舞台の奉納芸能の最後、つまり種子取祭のトリを飾るは、「 鬼捕り 」 です。
「鬼捕り」は、人食鬼を生け捕りするように命令された棒術使いの武士(福仲親雲上)が、山中で、兄が人食鬼にさらわれたと、一人でしょんぼり座っていた親に捨てられた子供を発見し介抱します。その後、武士は、鬼の住む洞穴を発見し、鬼の夫婦と格闘の上、鬼の夫婦を生け捕り、無事、さらわれた子供を取り返します。そして、この捨てられた子供達を、救出した武士が自分の手で育てるという物語です。
この芸能は西表島の古見から竹富島に伝えられたとされていますが、元々は沖縄本島から伝わったもので、舞台も沖縄本島の本部山とされています。

兄が人食鬼にさらわれます。
 
 
武士は、鬼の住む洞穴を発見し鬼の夫婦と闘います。
 
  鬼の夫婦は生け捕られます。
無事、さらわれた子供は取り返されます。 子供は再会し抱き合います。
 
 

仲筋地区の舞台の奉納芸能も終わり、2日間に亘る奉納芸能は全て終了しました。
最後に、公民館長が挨拶をされ、午後5時30分ごろ幕を閉じました。
 
各説明書きにつきましては、その多くを「竹富島文庫T 種子取祭 」(発行:遺産管理型NPO法人 たきどぅん)、その他から引用させて頂きました。内容につきましては、私の把握違いや意味を正しく理解していないこともあろうかと思いますので、その点はよろしくご理解のほどお願いします。
  

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