八重山の植物  更新 2014.04.20

八重山で出会った植物について紹介します。  (※青字は今回追加したものです。)

アコウ アダン
オオシマコバンノキ オオバアコウ オキナワキョウチクトウ
ガジュマル カニステル ギンネム ギランイヌビワ
クロツグ クワ クワズイモ クワノハエノキ
ゲットウ ゴムノキ ココヤシ
サトウキビ サキシマスオウノキ
シマグワ 島バナナ シマヤマヒハツ ソテツ
タコノキ テリハボク ドラゴンフルーツ
パイナップル ハスノハギリ パッションフルーツ パパイア
ハブカズラ ハマシタン
ヒカゲヘゴ ピハツモドキ ビロウ ボタンボウフウ
マンゴウ モクマオ モモタマナ モンパノキ
ヤエヤマアオキ(ノニ) ヤエヤマオオタニワタリ ヤエヤマヤシ ヨモギ
リュウキュウチシャノキ

アコウ アダン
クワ科イチジク属の半常緑高木で樹高は約10~20mになります。紀伊半島、山口・四国及び九州の以南の沿岸部に自生し、台湾・中国大陸南部にも分布しています。
幹は分岐が多く、枝や幹から多数の気根を垂らし、岩や露頭などに張り付きます。
イチジクに似た果実をつけ、果実は熟すと食用になります。アコウの種子は鳥類によって散布され、その種子がアカギやヤシなどの樹木の上に運ばれ発芽して着生し成長すると、気根で親樹を覆い尽くし、枯らしてしまうこともあり、そのため「絞め殺しの植物」とも呼ばれます。
[石垣島にて]
タコノキ科の常緑亜高木で高さ3~6mくらいになります。
熱帯アジアから台湾、熱帯・亜熱帯の海岸近く及び崖に分布し、琉球列島のほぼ全島で自生しています。
葉は1m前後に伸び、縁には鋭い棘がありますが、昔は葉の棘を取り除き草履などに編まれていました。木にはパイナップルのような実がなりますが、食するには不向きです。主にヤシガニやヤドカリ、甲虫の仲間が食べます。
[西表島にて]

オオシマコバンノキ オオバアコウ オキナワキョウチクトウ
トウダイグサ科タカサゴコバンノキ属の常緑低木です。
別名は「タカサゴコバンノキ」、高砂とは台湾を意味する名前です。
奄美大島から台湾にかけて自生し、海岸の隆起珊瑚礁に多く見られます。
長円形(小判形)の葉は互生し、果実は赤く熟しとても目立ちます。
[波照間島にて]
八重山諸島に分布するクワ科イチジク属の常緑高木で樹高は10~15mとなります。雌雄同株。ガジュマルやアコウと同じように、気根を垂らして寄生主の木を絞め殺す「絞め殺しの植物」として知られています。幹の周囲から多数の気根を出しますが、支柱根にはなりません。イチジク状花序をつけ実は熟すると白色となります。
海岸近くの林内に多く自生しています。
[石垣島にて]
海岸近くに多く生えている亜高木です。直径3~5cmの白い花をつけます。果実は4~6cmの球形で、中に1・2個の種子がありますが、毒があります。間違っても口にしないようにしてください。樹液にも毒性があり、皮膚に触れるとかぶれて腫れるので「フクラギ」という別名が付いています。薪に使ったり、箸に使用したりしても食中毒となる可能性があるので、ご注意下さい。かつては魚を獲るために使っていたようですが、現在は毒を流す漁法は全面的に禁止されています。
[石垣島にて]

 

ガジュマル カニステル ギンネム ギランイヌビワ
ガジュマルは熱帯地方に分布するクワ科の常緑高木で樹高は20m程度になります。台湾、中国南部やインドからオーストラリア、南西諸島などにかけて自生しています。
ガジュマルの木はキジムナーという妖精が棲むといわれ、神聖な木とされています。
樹木は防風林、防潮樹、街路樹、生垣として、材は細工物として利用されます。燃やした灰で灰汁をつくり、沖縄そばの麺の製造に用いられることもあります。
近年は観葉植物としても人気がありますが、耐寒性もあるものの、降霜に耐えられるほどではありません。
[鳩間島にて]

カニステルは、熱帯アメリカ原産のアカテツ科の常緑の小高木です。葉は細長く枝の先のほうに密生し、花は小さい淡緑色で若い枝葉のわきに多数つけます。春~夏に開花して、果実は翌年の3月頃に成熟します。耐潮性・耐風性を持ち、丈夫で土壌も選ばず生育します。
別名「エッグフルーツ」又は「クダモノタマゴ」とも呼ばれ、味はゆで卵の黄身のような、カボチャやお芋の甘くホクホクした、水分はないけれどクリーミーな味です。
 栄養価は高く、ポリフェノール、リン、カルシウム、カリウム、C、E、豊富に含まれています。
[石垣島にて]

ネムノキ科の落葉低木で南アメリカ原産(南アフリカとも言われています)、熱帯・亜熱帯のアルカリ土壌に繁茂している「マメ科」の植物です。国内には小笠原諸島と沖縄県に人為移入され、その後野外に逸出して帰化しました。近年は南九州まで分布を拡大しているようです。
沖縄では帰化植物の一種で、いたるところで生えています。
沖縄の「ギンネム」は大多数はハワイ在来種のタイプで、樹高が3~5m程度のものが大部分を占めています。
[与那国島にて]
クワ科イチジク属の常緑高木。石垣島・西表島・与那国島、台湾・中国南部・フィリピン・東南アジア・インド・オーストラリア北部に分布しています。
クワ科イチジク属は独特の花嚢をつけますが、ギランイヌビワは枝先ではなく太い幹につけます。八重山諸島ではマングローブの背後に発達し、大きな板根を形成します。
花の時期には(実の)先端に小さな穴があって、ここから共生関係を結んでいるギランイヌビワコバチが入り受粉を助けています。実はオオコウモリの大好物です。なお、ギラン(宣蘭)は台湾の地名です。
[石垣島にて]

 

クロツグ クワ クワズイモ クワノハエノキ
ヤシ科クロツグ属の常緑中低木で、原産分布は奄美、琉球列島、台湾などです。
一般のヤシに比べて木全体が黒い繊維で覆われ、黒っぽい感じがするので「クロツグ」と名づけられたといいます。
沖縄では別名マニ(マーニ)と呼ばれます。
奄美大島以南の南西諸島や小笠原に自生しますが、耐寒性が比較的強いので、本州でも越冬させることが出来ます。
香りの良い褐色の花が5~6月に咲きます。
[石垣島にて]
クワ科クワ属の落葉性の高木で、大きいものは15mに達します。カイコの餌として古くから重要な作物であり、また果樹としても利用されます。
大きい木では、葉の形はハート形に近い楕円形ですが、若い木では、葉にあらい切れ込みが入る場合があります。
雌雄異株ですが、同株のものもあります。春に開花し、果実は初夏に熟します。キイチゴのような、柔らかい粒が集まった形をしています。
[黒島にて]
中国南部、台湾からインドシナ、インドなどの熱帯・亜熱帯地域に、日本では四国南部から九州南部を経て琉球列島に分布するサトイモ科アロカシア属(クワズイモ属)の常緑性多年草です。素朴な味わいのある大きな葉を持つ観葉植物としてもなじまれ、大きなものは傘にして人間も入れるほどの葉を持ちます。
沖縄では道路の側、家の庭先、生垣など、あちこちで普通に自生しているのが見られます。低地の森林では林床を埋めることもあります。
根や葉などに毒があり、食べることはできません。
[鳩間島にて]
ニレ科エノキ属の落葉高木で、別名リュウキュウエノキ。
として南西諸島に分布し、エノキの葉とよく似ていますが、葉の表裏とも毛の要素がなくざらつきがありません。
小さな球形の果実が8月ごろ赤褐色に熟し、食べられます。庭木としてもよく植えられます。
[石垣島にて]

ゲットウ ゴムノキ(パラゴムノキ) ココヤシ
月桃は、熱帯・亜熱帯に自生しているショウガ科ハナミョウガ属の多年生常緑草本です。
花は夏に、茎頂の下垂する提灯のような大型で総状花序をつけます。長さ4㎝くらい、花冠は3裂し、唇弁は大型で舟型、縁にぎざぎざがあり、黄と紅との条紋があります。実は長さ約2㎝の倒卵球形ですが、縦の助条があり、熱すると赤くなって、その一側が縦裂して球型で灰色の種子を露出します。種子は健胃剤、または、ウイスターソース、カレー等の香辛料として使われます。
沖縄では昔から月桃の葉を餅(方言名:ムーチー)の包装材に、種子を漢方に用いていました。
[黒島にて]
トウダイグサ科パラゴムノキ属 の常緑高木で天然ゴムの主要な原料です。原産地はブラジルですが、世界中の熱帯地域で栽培されています。
観葉植物としても広く流通し、普及しています。とても育てやすい植物です。
[竹富島にて]

原産地はインド洋アンダマン諸島やポリネシア周辺と推定されています。果樹は単幹で高さが20m~30mにもなります。熱帯各地に自生していますが、沖縄では街路樹などとして利用され、また家庭では一般的に観葉植物として栽培されています。
ココヤシの果実は大きさが10cm~35cmほど、果皮は茶色で果肉は乳白色をしています。
この写真の木にも大きな実がいくつも実っていました。
[西表島にて]

サトウキビ サキシマスオウノキ
イネ科サトウキビ属の植物で、沖縄方言ではウージと呼ばれます。栽培種の起源はニューギニア島とその近くの島々と言われ、世界各地の熱帯、亜熱帯地域で広く栽培されています。
茎は竹のように木化し、節があり、節の間の茎の中心は竹のように空洞ではなく、髄になっていて糖分を含みます。 茎は高さ3mにもなり、葉はトウモロコシのように幅広い線形です。秋には茎の先端からススキのような穂を出します。収穫は概ね12月中旬から3月までです。
[波照間島にて]
熱帯アジア、台湾、ポリネシア、熱帯アフリカに分布するアオギリ科の常緑高木です。マングローブ林のある湿地の内陸側に多く生育し、国内では奄美大島、沖縄本島、石垣島、西表島に生育しています。
板根が特徴で、沖縄では、かつてこの板根を切り出してそのまま船(サバニ)の「舵」や「まな板」に使用されていました。
写真のサキシマスオウノキの巨樹は、西表島仲間川上流で1982年に発見されたもので、推定樹齢は約400年です。

[西表島にて]

シマグワ 島バナナ シマヤマヒハツ ソテツ
鹿児島県屋久島以南から琉球各島、台湾、南中国に分布し、海岸から山裾に生えるクワ科で雌雄異株の落葉中高木です。樹高は3~15mになります。
海岸近くから山裾にかけて見られます。本土の同属種ヤマグワと比べると、葉にほとんど切れ込みがないのが特徴です。
なお、養蚕に使われるのはヤマグワで、このシマグワは養蚕には使われないとのことです。
実は熟すと食べられますが、そのほかに若葉は天ぷらや汁物の具として用いられるそうです。
[竹富島にて]
島バナナは1888年に導入された小笠原種で、その名前に反しマレー原産です。それ以前に「甘露種」という在来種があったといわれています。
「島バナナ」は、庭先などに植えられ、古くから親しまれてきた果実の一つです。実は10~15cmと短く、モンキーバナナと似ています。実は完熟するまでは果皮が剥きにくく、果肉にも渋味が残ります。完熟すると ビタミンAとカリウムを多く含み、甘昧だけでなく、適度な酸昧と香りがあり、他のバナナでは昧わえない独特の風昧が特徴です。 栽培には、広大な土地を必要とし、台風や病害虫の被害が多く、管理が難しく、生産農家が少ない為、沖縄でもなかなか店頭に並ばない希少価値の高いフルーツです。
[竹富島にて]
「シマヤマヒハツ」は与那国島以南、台湾、フィリピン原産で、琉球列島の沖縄島、宮古島、石垣島、西表島や与那国島などの石灰岩地域に生育している雌雄異株の低木です。樹高は1.5~3mになります。
花後結実し径3㎜ほどの球形の緑色の実を房状につけ、ピンク色に変わり、熟すると黒紫色になります。
「シマヤマヒハツ」の果実は渋味と酸味が強いため果実酒の材料に利用されます。
生育が旺盛で刈り込みにも耐えるため生垣として利用されています。
[竹富島にて]
裸子植物ソテツ科の常緑低木で九州南部から沖縄に自生しています。幹は直径30cmくらいで,古い葉柄の基部が残ってうろこ状に見えます。樹高は2mから5mに達し、側方から芽を出して枝分れすることもあります。葉は幹の頂上に四方に広がるようについています。雌雄異株で、雄花・雌花とも茎頂に一つつき、夏に開花します。雌花は多数の大胞子葉の集合で、各大胞子葉の下部に胚珠がつきます。胚珠は秋から冬にかけて成熟し、長さ4cmほどの赤色の種子になります。種子や幹は多量のでんぷんを含むため、かつては食用にされましたが、有毒物質を含むのでしばしば中毒が発生しました。
[小浜島にて]

タコノキ テリハボク ドラゴンフルーツ
タコノキ科の常緑高木で高さ3~10mくらいになります。雌雄異株。
アジア・アフリカの旧熱帯と太平洋諸島・オーストラリアに分布し、主に海岸の砂浜などに生えています。
気根が支柱のように幹を取り巻きタコのように見えることからタコノキ目の基準種となっています。葉は細長く1mほどに達し、大きく鋭い鋸歯を持ちます。夏には数十個の果実が固まったパイナップル状の集合果をつけ、完熟した果実は食することができます。
同じ属の沖縄のアダンとよく似ていますが、果実の先端が3-4裂(アダンは6-8裂)することで区別することができます。
[波照間島にて]
マダガスカル原産のオトギリソウ科の20mに達する常緑高木で、東アフリカからポリネシアまで分布しています。
和名のとおり「照る葉」を持つ木、「葉のきれいな」植物です。その葉は厚く、長さ15~20cm程度で太い薄黄の中肋(中央脈)が目立ちます。
沖縄では海岸防風林などとして植栽されています。また、材は紅褐色で硬く光沢があり、「琉球シタン」と称され、家具材などに利用されます。
[竹富島にて]
サボテン科ヒモサボテン属のサンカクサボテンで、ピタヤと呼ばれるている多肉植物です。原産は南メキシコ、中央アメリカ諸国の熱帯域です。毎年7月から11月まで数回収穫されます。
ベトナム、マレーシアなど東南アジア、台湾、中国南部とイスラエルなどで主に栽培されていますが、近年では日本においても沖縄や九州で栽培されています。
樹上で完熟されたドラゴンフルーツは結構甘いのですが、代わりに日持ちがしなくなるために、完熟したものは中々流通しづらい状況にあります。
[竹富島にて]

パイナップル ハスノハギリ パッションフルーツ パパイア
3月下旬から11月にかけて島内のスーパーや無人売店で1個50~300円くらいで売っています。8月頃のパイナップルは缶詰のパイナップルのように甘いです。パイナップルは収穫した後、追熟することはありません。売っているものは熟していますので買ったら早めに食べることをお勧めします。
なお、島から本土に送る場合には上下逆さまにして糖分を均一化するようにしましょう。
[西表島にて]
西インド諸島原産で、ハスノハギリ科の常緑高木です。
高さ10mほどになる常緑高木で、耐風、耐潮性に優れているため、世界各地の熱帯の海岸に広く植栽されています。
樹木の名称は、葉がハスに似ていて、桐のように軽い材の木ということだそうで(蓮の葉桐)、かつては船の材料とされたそうです。

孔の空いた乳白色の総苞の実をつけます。
ヤシガニを食した際に稀に起こる中毒の原因は、ヤシガニがこの樹の果実を餌とし、体内に有毒成分が蓄積されているためとされています。(但し、中毒原因物質は特定されていません。)

[竹富島にて]
和名をクダモノトケイソウ(果物時計草)と言い、アメリカ大陸の亜熱帯地域を原産とするトケイソウ科の果物です。
現在では、品種改良された種が、世界の熱帯から亜熱帯地域の広範囲で栽培されています。ブラジルが最大の生産国で、その周囲の中南米での栽培が主流になっています。
日本国内の栽培は概ね紫玉、黄玉、中間交配種の3つに分かれ、生食用では甘みの強い紫玉の需要が多く、黄玉は果汁の多い物が多いため加工用原料としての栽培が多いようです。
[鳩間島にて](野生化したもの)
メキシコ南部を原産とするパパイア科パパイア属の常緑性の小高木です。多くの熱帯の国々で栽培されており、日本では、沖縄などで人家の庭に自生しています。樹高は約1mに達します。花は茎の先端近く、葉の下側に出て、通常は雌雄異株で、雄花は長い花序になって垂れ下がります。花は黄緑色で目立たない花です。
完熟した果実は果物として、緑色の未熟果は野菜として使用されます。
[黒島にて]

ハブカズラ ハマシタン
サトイモ科の熱帯性蔓植物。東南アジア・南太平洋諸島、西表島などに自生し、薄暗い密林の中で、樹木の幹に気根ではい登り生育しています。葉は羽状に深裂しますが、若葉は裂け方が少ないです。全体が、モンステラやフィロデンドロンとよく似ています。黄色の斑が入る変種が観葉植物としてよく利用されています。
[西表島にて]
ハマシタンとはミズガンピのことで、波照間島の西側の毛崎海岸沿いに30本以上群生しているのが有名です。ここのハマシタンは樹齢数百年と言われています。
隆起珊瑚礁に生えるミソハギ科の常緑低木で、高さ1mほどになり、よく分枝して地を這います。
材は硬くて美しい紫褐色をしているので、三線や細工物などに利用されます。ハマシタンの名はそこから来ています。
[波照間島にて]

ヒカゲヘゴ ヒハツモドキ ビロウ(クバ) ボタンボウフウ

奄美大島以南に生息する大型の常緑木性シダで、日本では最大のシダ植物です。八重山では森林部でよく見られます。高さが5~6m、最大で10mになり、葉だけでも2m以上はあります。幹には楕円形の模様が多く、蛇のような柄をしていますが、これは成長に伴って葉柄が枯れて落ちた痕跡です。新芽は幹の頂部より伸び、葉柄部から葉がゼンマイのような形状となった後に開いて成熟します。約3億6千万年前から存在しているとされ、生きた化石と呼ばれます。
新芽および、高く成長した幹の芯は食べる事ができます。
[石垣島にて]

胡椒科の植物で、日本で唯一作られる香辛料として有名で、「ピパーズ」、「ピィヤーシ」「フィファチ」とも呼ばれます。
実を乾燥した後で粉末にして使います。
コショウのような味ですが、独特の甘い香りがし、口に入れるとピリっとくる辛味が食欲を増進してくれます。沖縄そばやうどんにかけたり、野菜炒めや肉料理などにかけ独特の香りを楽しむことができます。
[竹富島にて]

ヤシ科ビロウ属の常緑高木で、沖縄ではクバと呼ばれます。
葉は掌状に広がり、ワシントンヤシにも似ますが、葉先が細かく裂けて垂れ下がるのが特徴です。
東アジアの亜熱帯(中国南部、台湾、南西諸島、九州と四国南部)の海岸付近に自生し、北限は福岡県宗像市の沖ノ島です。沖縄などでは庭木・街路樹に用いられるほか、葉は扇や笠に利用され、また若芽を食用にします。
[鳩間島にて]
セリ科カワラボウフウ属の海岸に生える多年草で、別名「長命草」です。条件がよければ1メートくらいの高さになります。本州、四国、九州、沖縄に分布しています。
標準的な花期は7月から9月ですが、南の暖かい地方ではほとんど一年中花を見ることができます。ボタンボウフウ(牡丹防風)の名は葉が牡丹に似ていて風邪薬に利用されるところから付けられたものだそうですが、葉や根は食用にもなるので食用防風とも呼ばれます。
与那国島では町をあげ長命草茶や長命草青汁などの販売に取り組んでいます。
[与那国島にて]


[写真左側の木]
マンゴウ モクマオウ モモタマナ モンパノキ
ウルシ科マンゴー属の常緑高木の果樹で、樹高は40m以上に達します。原産地は、インドからインドシナ半島周辺と推定されています。枝の先端に萌黄色の複総状花序を多数付け、開花後に強烈な腐敗臭を放ちます。この腐敗臭により受粉を助けるクロバエ科などのハエを引寄せます。マンゴーは、ウルシと同様、ウルシオールという接触性皮膚炎(かぶれ)の原因となる物質が含まれていて、高率にかぶれを引き起こすため注意が必要です。
[波照間島にて]
オーストラリア、マレーシア、ニューカレドニア、フィジー、マスカレン諸島に分布するモクマオウ科モクマオウ属の植物で、松のような裸子植物ではなく、被子植物に分類されています。
日本には元来自生しないものですが、今では南西諸島、小笠原諸島に導入されたものが野生化しています。。乾燥に適応し、海岸や乾燥地に多く見られ、八重山では防風林などにも利用されています。根にはフランキア属の放線菌が共生し窒素固定しています。
[鳩間島にて]
シクンシ科モモタマナ属の落葉高木です。沖縄本島以南の海岸沿いに自生し、アジアからポリネシアの熱帯~亜熱帯の海岸に広く分布しています。別名は、コバテイシ、方言名はクバデサ、クファデーサー、クファギなど。
夏は長さ30cmにもなる大きな葉をつけ、秋には紅葉し、冬には葉を落とします。街路樹、公園樹としてもよく利用されています。長さ4㎝位の実を付け、実はコウモリの大好物です。
[西表島にて]
ムラサキ科スナビキソウ属の常緑低木~小高木です。別名、ハマムラサキノキ(浜紫の木)。東アフリカからアジア、オセアニアの熱帯から亜熱帯の海岸、砂礫地や砂浜に生え、日本では、奄美諸島以南、沖縄県南西諸島および小笠原諸島に普通に自生しています。
樹高は10m程度に達し、幹は灰褐色で縦に裂け目が多く、材は柔らかく径は太いもので30cm程度に達します。葉は倒卵形で大きく、大きさは10~20cm。多肉で、表裏ともに細かい毛が密生し、ビロード(紋羽)のような手触りがあります。密生した白色の花を咲かせます。
[波照間島にて]

ヤエヤマアオキ(ノニ) ヤエヤマオオタニワタリ ヤエヤマヤシ ヨモギ
アカネ科ヤエヤマアオキ属の常緑高木で、ハワイの現地語であるノニの方が良く知られる名称の1つになっています。日本では小笠原諸島と沖縄諸島、大東諸島、宮古諸島及び八重山諸島に、日本国外では台湾、中国~インド、マレーシア、ハワイ諸島等ポリネシア、オーストラリア、カリブ海沿岸地域に分布しています。沖縄諸島が分布の北限にあたり、主に海岸林に生育します。
高さ3~10mに達する常緑亜高木で、花は根元がくっついた白い1cmくらいの花を密につけ、年に4回開花します。果実は液質で、一塊りの集合果となって熟すると白い半液状になり、異臭を放ちます。最近の健康ブームにより、乱伐が問題となっています。
[竹富島にて]
チャセンシダ科に属するシダ植物。
先島諸島に多く、林床や林内の木の幹に着生している姿が多く見られます。繁殖力が強く、人家の庭にも多く植えられ、新芽は、特に八重山諸島では食用とされています。そのまま天麩羅にするとおいしく、またチャンプルーの具材に用いられることもあります。

[西表島にて]
ヤエヤマヤシは、石垣、西表島だけに生息する一属一種の貴重なヤシ科の高木です。その高さは25mにまで達します。茎の胸高直径は30cm前後、葉は長さ5mに達して羽状、小葉は幅3~4cm、長さ60~70cmあります。石垣島の米原部落後方の斜面で於茂登岳のふもと、西表島のウブンドル、星立御嶽の群落は、国の天然記念物に指定されています。
[西表島にて]
キク科の多年生草本で、草地などで普通に見ることができます。
地下茎などから他の植物の発芽を抑制する物質を分泌しますが、自らは地下茎で増殖することにより群生します。
茎や葉の裏には白い絹毛があり、この毛を集めて「もぐさ」を作ります。
沖縄の方言では「フーチバー」と呼ばれ、沖縄そばの具やヤギ肉の臭み消しとして用いられています。
[竹富島にて]


リュウキュウチシャノキ
ムラサキ科チシャノキ属の樹高10m程になる常緑高木です。八重山諸島から台湾、フィリピン、マレーシア、オーストラリアに分布しています。八重山諸島では石垣島、小浜島、西表島に自生し、北限とされています。海岸沿いの低地林に生えています。
葉は卵状楕円形で全縁、互生します。5月から6月頃に、枝先に集散花序をだし、小さな白色の花を咲かせます。
[石垣島にて]
 
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